勇者やらない夫の伝説 【前編】

2012 05 04  目次ページ ⇒ 最初から読む   タブレット ⇒ モバイルやる夫Viewerで変換して読む   タグ:◆demUaSMNYo, |
1 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:31:20 ID:fOc0RAYE

                    _,. -‐‐- 、
     ,.-==…- 、        '´      \ 、 __ _
   ,.ィイ       ``ヽ、 ,/          ヽ     ̄``
  .〃 ;            j〈               l
  り; ,′       ,r<ミシ j            ト、         ・オリジナルの厨二ファンタジーです
  }1;,'   ``ー-y'´   ',::::j           ′  >….::;;
  ,′;;',      ,入    V''7   z-、、ノ,,, \ /′,r'"  .::;'´
  i; ;;~`ヽ       i   ,.イ ,;;;;   ( 一) (一)'' /    .;;'
  l; ;;   ',      i、_ノ i ;;;;;;、   ,::;' ,  7"´1 U  .:;;'      ・至らない部分も多いかとは思いますが、よろしくお願いします
  .V/     ` ,  .::′ `ヾi ';;;;;;;;;、,(____人__)  1   .:;;'
  i1      ,..イ     `ヽヾ;;;;;;;;;;;:`ー'シ′  1ィイ彡;;;;.
   i1    ミミy′        `ヾ;;:;;;;;r'゙     j毟彡;;;/
   i1  `ミミy'′  U               jミミミヲ´       ・もしかしたら過激な表現が含まれるかもしれません
   .i1  .:;ィ毟;:.         i ;.        ,′`y′
    i1:::::. '゙゙゙'`1:::::::.   u   ! ;;.  U    ,′ ,′
    .l.::::::::.   1::::::.;;。;;       ! ;;.     ;;。;;i  ,.′
    ',:::::::.   厂`ヾ     ノ ;;:.     ,'1  j
     ',::::::.  j    ゝ---‐'´  `ミ;;、 ____ノ 1  j           ・このスレを見た皆様が
     i::::::.  j  ̄`ヽ,,_            ,'  /            暖かく幸せな気持ちで一杯になってもらえるよう
     ',:::::::. j ̄``ヽ ;;.. _ _ _;;'゙ ,, 、、、,,,ハ彡′             精一杯頑張ります!

      【腋でおにぎりを握ろうとする勇者の図】

※予告:勇者やらない夫の伝説
4 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:36:02 ID:fOc0RAYE

                      ~勇者やらない夫の伝説~

                            【前編】



                   十
(, ̄~゛''‐- ..,_                                       '  _____
(~゛''ァ-、.,,_ `゛'''‐- ..,,__                          +      __lミ- '゙,r'ソ  ,\
 イ二'_‐-乙'‐-、..,_   `゛'''‐、,   +                      _,ミ ->冖 /     }
  \_ン‐- ン‐-ン、___'孑ィ.,_  \                       ' ミ、┴-'゙ご⌒ }  ./
    イ>-シ、,__`ィ.,__了 `\,  \                      ミ,.ユ'二(゛'ソ  ! ,/
    \,_,`゛''‐-!、_`' 、づ‐-!、   ヾ 十      ___       + ミ>ー '゙,r'ソ   } l
      !、_`゛''‐<_`' !、-`フ'‐ ,   ヽ    ,. -'"´     `¨ ー 、   (.ュ::とrニフ`  ! l
        ゛''-ン、, \`' - .,_     \/          ヾ  ヽ、ュ-,r' ニヘ¬ ',  | '     ,
          ア \,.ギ'  `\(,(,j   \            };  ヽゝ < (^ ム !¨ ', |
           ンx,_'‐`\、‐ っ,`゛\    ヾ   r´   __, ..イ ト┬-、i' ^>っ´ 7'   |
           !、_  ‐-  イ ( 人 ゙i     i L._∠,´.!___,.ノ ヾ, ̄ ヽィ, `'    i |
           丿`゛''' -丿 ぅ', 六_ ゔi    i          }    };, :. :. :., '  : ./+
             `゛''' ┬--   '- (,、!、,   |   ヽ ,___,,ノ`ー-'ヽ     /        +
        {^X      >‐-ニ、゙'‐-   ''゛,´ッ i        ̄ "'''"´  }---ー"゙
        !、_}        .     ̄:`゙''ー-、,___ノ               ./ 十
                     i                    ,!
                     i                   !
                      ',                   {     +
                      i                   !
                      .}    !               }
                      i     ヽ、          i  ,'
                      l      ヽ、         |. /
                      /        ヽ...,,____,,..ノノ
                  .   (         _,/
                     (__,,,...--‐‐'''"゙´ソ            ,キ!、
     ,.レ,             .    (__,,...--‐‐''"´ソ              \,_)
    {  (                 (===ニ二ソ
     \ミ                ヽ三ニ==ソ
                        ヾ_,.-‐''´



                         【勇者のご尊顔の図】

5 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:36:41 ID:fOc0RAYE

                   ___
                  /      \    西方の、空気の乾いた国、湖の畔の村で
                /     、_,ノ  ヽ
               /       (● ) 丶
             /         (⌒  l
            /             ̄l__)     __
        r‐ ‐-- 、               ノ    |  ̄`》  勇者やらない夫は、羊飼いの家に末子として生まれた
       上: : : : : :>‐-.、__         /      〉二〈
     レ<>㍉、: : : : : : : : :>      /        |ニニ|
   /: : : : : : : : :ヽミ、: : : :/>ヾ,__ン         |三ニ|
  /;. -‐- 、: : : : : :=ド、ヽ//   j `.-、         /ヘニ7⌒)
 //_/ ̄ヽヽ |: : ニ||: }}: ≫≪=: : :_≫      / ィニにン-、  彼の国では、羊は不浄の生き物とされていたので
||`|`i⌒j |||二//: :}}: 二//: /           / ノ / _/-、
/∧ ゝ二 ノ ノ: !二ノ_ }}: =//: :\            |  (__,イ_,. -<
| ヽ` ー--イ : =∀ニ|r‐㍉、」」、}: : : ≫    (`ー‐┴ー┴‐ー┴---'‐'")
|: : :`:ー┬': : =/二 \: : :=}}ニVX´        ̄,《「 ̄ ̄ ̄ ̄「 ̄ ̄
": : : :|=: |=: : =|ニ: : : : \ノ=三|:、\      ri´: : | ̄ ̄ ̄ ̄|     その家柄は大変に低く
: : : : :|二|二二|ニ : : : : }}}=〉ニ=ト:二ユ__  /: i!: :_x≦'" ̄ ̄\
: : : : :ヽ=|二/ニ: : : : : }}}=|ニ=|ニ: : : : 〃´: : ;x<: :: :: ≧ \   |
: : : : : ヽ\/|二_: : : :}}}ニ|ニ=/<: : //: : :/:: : :: :://: :\___  ハ
: : : : : :、:\=〉‐-- 二_ー‐'ニ/二二|: |//:: :: _:: ::l=/:: ::=_:ヽ=、:: ̄:\__  それ故に迫害されていたが、家族の繋がりは強かった
: : : : :、 ヽニ〉|||||ト]トrへ二ニニ/:=:: ::_::=:: :: l=|: =:: :: ≧\三≧x:: ::ヽ
: : : : : : 、 ∨ ̄`'┴-t⊥jj[]   >/::/:: :: l=/:= : 川:: ::=:: :: ::`:: :\三=Vヘ」

6 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:37:24 ID:fOc0RAYE

               ,_   _ 
             、-ー'`Y <,___
          __≦ー`___ _二z<_   不浄の生まれであったが為に
          > .,,_  ̄、-‐ ´ ̄`'┴<
         <之′Y´/        \
           >{  ,'  |、 , ,.  ,.l  ,   ゙i    王宮預言者のキナが、神託に基づき
          | ヽ,{  |寸寸T ハT7} ィ, l
           ヽレⅣ ハ (●) (●)| ハ|
             V ト'(1     ,   }"         彼の者を見出した時には、大変に驚き
             j Vィ丶,  ―   ,.ノ
           / / ヾiヽlリ    |i |lii|\
          / 、    ヾiヽ`、 ヾ!i |リ! .ヽ          彼女の従者であった牛さえもが
         /    ヽ :i! ヾiヽ\/ノ!ii|  i. ヽ
        ,′/   ', !   lii lヽ./ |lii| 、! , '、
        !      i:    ヾiiヽ  |lii| V  ヽ        右の瞳から涙を落としたという
        i      ー ' /  l iil、|lii|  !    i
        !     , 、-、-く    ヾヾ洲   ,  ヽ
.        l    \\\\ ___ヾ:ぐ,ィーi′ _ ヽ
       |    、 \\\\─┴==イヱ-'´   ゙i-ー=ー-、
       |   ヽ 丶-\\\\-f、^ヽ、``丶、   ゙、__ )_ヾ \
       | ./   _,-─==LiLz<Σヾlii:ヽ、 ヽ\   ゙、 `ー- ヽ、
.       | /  /  /´/'´_, -ェェェェュ、゙ト、lli、   \ i 丶、 ヽ ヾ-、,_
.        l /, イ   /  / /タ'゙´ ̄`ヾミミlト、li、 、  ヽ|    ヾi, lヽ、 `'-、,_
      // , '   /  / /シラ/ '´   `ヽ、\i|ト、li、i   ゙i\ `丶、 lii ヽ  ``'-、ヽ
.      ,′イ     / /彡イ        ヽ.ヾilli| |   |  ヽ丶 ミlll|  ゙、     ヽヽ
     i /      / /彡ソ′_ン--、      ', ヾl|; !    l    iヽ ミiト、  ',     | l
    /     , ´ ノFレ'f  ̄ <-⌒ヾ丶、  ', lリ     l    i _ ミi、  i     ノノ
    ,'      _,ィ个シ   巛l川∟__ ヽ-、ヽ、  ゙!、  ,′,   | Yヽ ミ、 | ,〃´
   l  _,,、-=ニ三ニシ    ンン ン"´     ヾミヽ, ヽ ! i    | lヒニi, ミ! l| r爪
   | /シ三ニ=‐''゙´     シ ´   `ヽ、    lミミ\ ヽ  |   liノ=二! Y! リ リ州ト、
   |!ツ´  丶  /″     r'´ , ---、\ヾ i、ヾミ,\   _, -'´-三イ ミl ト化㏍ヒ_
 fて,!l{    , i lァ, /   /    ,、-''ン_,,``ヾミミミ\ミ゙ー≒ニ三フ/ 、ミミ! | ヾ爪´
 \/.)ー-ニ」_l_!_i/r |シ / /_ _,r‐=ニ`⌒    `"''ヾー=二三-''´i人リハミi !
   ゙トニL_ヽ、ヽ、\ヽ ̄ヽ ̄ヽ`ヽ7′_ ,.、、 ,_、    "''-iミY ̄ニ-、_.ソ ノリ /
   |   `'ー-ニL_>_冫 ! ン ヽY_ィ_ ィ、_,r -、、      ミl|三二ニ.イ三リメ
   |゙、   ヽ ヾヾヾ''´_二ニTシ _三-ー_二  ̄`     _ l|⌒ー''´ l三!/ }
   l!、   _,、-'´∠´_ 三ニヨンイ   _ニ--、       '",ィリ!     lハ! ゙if′
    i、  ー--∟_   _ィ-'ヤ i    サrュ、`ヾ'、    ヾ'゙ソ iミ!リ  lリ |!
    ゙、  `、   ヾ丁ヒ_」ソハ    ミニ^Y 、ヽヾ、   、ハ| "`,"_ィ  l!
     ゙ト、       ヾ、 `ヾミミ、、   -≡三ミミミミミ、  ヾ!'´ ̄仄 ー=ヤ
     ヾヽ、      ヾ、  ヾミミミミ、、     `ヾf-シン ー`)  lY′ 、_丿
       \        `f" ̄>=ニニヾ、   ヨ辷ェ' _ _,,ィi′ 冫=シ ラ|
        `i、      ヾノ-<二ニ-イ ソ `ヽ、 i、   _∠!   K=ー -!、
         !ミヽ、ヾ   、|     l! |'    ,r\ _, イ _丿 | \_ ィ ハ
         ヽ   ヾ、、 /      ヌ   i 「   `フ´ ̄     l、   l、 |
          i) ヾ ` fl{      厶-、_ Xr  ,レ′       `ヽ、!ヽ'
          iツ    jl !     /:Y   f二ュiフ

7 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:38:02 ID:fOc0RAYE

                                           //.:::.:.::\
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::.: : : : :|コ:.:|:.: | ̄|: :.::.::..: : . ::| ..::_ .::[].::| : :.:ロ::|::|:. ://ト、У〕:|:....;>.| |. :..::|  . :| |. _.:.:.:. : :|.lニニ|l .:.:|┌ヾ':,ゞ;゙;”;ミ;:ミ
工エエ|::.:.:旧:|::...|.::[].. .: :.ロ.::| ./:ハ.:..:: :|. .::.:: .:|:://.:::::;>|::::|/ヘ「 ー┴─ー|__;;| | |〒|:. :[] :|:| .:::::::||=|│|.::.[]:::}il|{´
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: :|ェ| .:::::|:.:.|:::..|::::.| .:|襾|.: : : :|: |:||||,;,:.:⊥!‐'''"    [ニニニ|ニ]                               ルヘ:
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: :|ェ|:|;'|:.|:| |='′                       | .: : .:.|               .             .
: :|ェ|:|;'|::l_レ'   '     、              | . : :.:.:.|       '               .
: :|ェ|:|;'|::|                         _,‐| .: : .:.| 7!_                      、
: :|ェ|:|;;レ'       ´        '       / / ゙'ー-‐''´//  /|          、
: :|ェレ                        /  lニニニニニニl/  //
/       '  、       `         lニニニニニニニニニl/                    、
                                            `     、

                      やらない夫は14歳の誕生日に

                 預言者キナによって連れ出され、王都へと渡り

8 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:39:07 ID:fOc0RAYE

                          ψ
                          ,.}{.、
                        ,.:'ナホヤ:、
                       /´ ̄  ̄`:ヽ.
    j|                    /        :.\                j|
.   f .`i               /           :::::.`i               f .`i
   _}Ii.I{                |    _________..:::::::::::|                ,}I!I:{
   下了   ,人        ノ:い,.:ォ''緜;;絲;;絲;;綿`ぇy'.八.          人.   下了
    | :|    }I i{     |i  / _;:Yf,,.--―――-- ,iY_.::ヽ. ,l|.     }i I{   | :|
    ! ::!.   |:|    .iHh lれ|∩l|:┌三三三三三┐:|l∩|iう:l frti.    ! :|   | . ::|
   {-‐-}   |::!     l ̄├三三||: | |';';';';';_;;_';';';';';| | :||三三┤ ̄:i   |.:l   .{-‐-}    王宮に招き入れられた
.    |  ::l   {‐ }     lr‐i | |f⌒i l|: | l';':'父乂父、';l | :|lf⌒i | | r‐i:|     {‐::}   .! :::l
   |  :::|.  | :l     || |.| l|  .l:||: | |i'乂:ri‐i:i:乂'i| | :|||  .l:l | l l:l    i :|   |  :::|
.  ├-┤  j,.. :!    .l ニ. ! !;:三:;l|: | ll;王;lエエl;王;ll | :|l;:三 :! !. ニ.:l    j :!.  ├:‐::┤
  |   ::|   | ::!     .|r‐i | lf⌒i ||: | |l:干:ri‐i:i:干:l| | :||f⌒i l | r‐i:|     | :|  |  .:::|
  _|   :::|_.l ..;:| __,l|__l | ||_.l:l|, ニ;l;王;lエエl;王;l;ニ ;|l|_.l:| | |__|:!__,l .;;r!';ミ;ヾ;'ゝヾ|_
.  i 「  ̄,r;';';,、― ―i―i―i―i―i―l.-l--l--l--l--l--l.-l―i―i―i―i―i―i fバヾ';;:゛ヾ;,ヾ
  l.「 f;';'';ゞ';ヾ;:ヾ.,i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄l.~| ̄l ̄l ̄l ̄l ̄l~.i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄i ̄i,ノヾ';ゝ;'::;;ゞ';:;ゞ
   r'ゞ;;ヾ;';;ソ;ィ;';ゞ'::┴:┴;┴;┴;┴:┴‐;;:┴;┴:┴;┴;┴:': :┴;┴;┴:┴:┴‐':.ヾ''ゞ:;ヾ;:/';ツ゛
 _.: ;__.:.`_,刈',::_;::.;_::: ;_:::,,;';;';'''゛  ..::,;';;:''.:: !.    ! ::.゛';;,::..   ヾ';`';,,.::._:;:_.::;.:_;,_;:_j;l!i_;:_::.:_
 .,::;:::. ,::::::::::::;;:::....., ,:;';;: '''゛    .:::;;'';:'゛.::: |:     | :::::..゛';',;::..    ヾ':;';;:,.、:::...... ::,..:::::,:;::::::;..::

9 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:39:42 ID:fOc0RAYE

      /;:;:;:;:;:;:;:;/;:;:;/;:;:;:;:/;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;\
     ./;:;:;:;:;:;:;:;:;/;:;:;/;:;:;:;:/;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:-‐;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:\
     /;:;:_;:;:;:;:;:;:;:|;:;:/;:;:;:;/;:;:;:;:;:;:;:;:;:/;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/;:;:;:;:;:,
     };/,.x=ミ、;:;:l;:/;:;:;:;:-=ニ¨ ̄ `ヾ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/;:;:;:;:;:;:;:;:',       王宮の、玉座の上から厳かな態度で
     }/' \,//`^^^^ヾ!   _   ミ;:;:;:;:;:-‐';:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;',
    .// \.|!   __ -ヘ''´      ミ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:!
   //  _  |!-ニ二__ヽ   ̄`   ミ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;/ヽ;:;:;:;:|
   /ヽミ、 -|=、   /  |!  _,..==ニ_, }`ヽ;:;:;:;:;:;/ /} ';:;:;:;!       国王は、やらない夫へ向けて言った
   |! ∨/_, イx==、 ヾ}/  !,イ芹汽''刈/==、 \;:;:| !lllll! ヽ;:;|
   |!  ∨ゞ|!/≧}|  ,ノr彡才' 弋し'' /-―ミヾ:::ヽ;| !lll/ /;:;|
       |  |!///|! //'' ヽゞ`''' ¨´..   .....::}::::::ヾ}ゞ' /;:;:;;|
       |  V//|! |!   ''::::::::::::::::::::::::,.,.,::::/:::::  }!_/:;:;:;:;|        「そなたに、魔王の討伐を命ずる」
      ':,.  ∨/|!        `ヽ:::::::::::::/:::::/  !:::/ };:;:;:|
       ヽ  {/|!  }= 、,:::}     \::::/::::::::/  |::::!  ヽ;;ト、
       ':, //ゝ、__,,.笊从ヽ\    ':'::::::::/   !::    }: : ! 
          ',//爪从从从笊ハ::ヽ   }:::::∨  | |!/    /: : :ヽ
           ∨彡''""゙゙゙゙゙゙'''''刈从    !::::{   //    /: : : : :',
            ', }!ィニニ=---=ヽ ヾ!  |!::::::::/イ     /: : : : : : :
            ∨/ ̄ ̄`ヽ:::::}   ./::::/.:::    /: : : : : : : :
           }'      '/  /::::/.::::::'   /: : : : : : : : : : : 
           ゝ _        /.:::::::'   /: : : : : : : : : : : : :
               ヽ ̄ ̄ ̄:::::::::::::::'   /: : : : : : : : : : : : : : :

10 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:40:17 ID:fOc0RAYE

////ヽ\/\.\//////イ  i////i/////x' /// ////!
//////\>//ヽ \////{:  |///ハ///  ///,イ////
////< `<///:\ ヽ/ハ  l//イ }}:/  ,イ/厶ィ ///    その姿は人に似て、蝙蝠の翼と川鰐の鱗を肌によろい
//////>x `<// \.V∧ }//} ,リ′//,ィ゙ ////
/////// -、\. \//∧〉/∨// ィ/ ,ィ// ,////
/////// -、∨≧x.\///rミ/ャ ///才´  /////      吐く息は毒を帯び、瞳は火炎の輝きに満ち
//////! i ハ :::....≧x\《///》/厶斗/∨////
\///∧ヽ } :::::ヽ弋ァヾ∨//rァ¨/:ィ1 .}//厶ィ
ヾ./////\   :::、  ̄"´! トミー‐..:/  イ////        空を裂いて天を駆け、人を踏みしめて地を奔ると謳われた
  \//////「´| ヽ  __、 {,   .イ ////        ./ 、
 /ヽ. ̄ ̄`| ヽx7////77/≧/=≠彡'    /\    //  \
\___V⌒ヽjヘ ´\ ̄´= `゙メ=- -、    //  丶 .///   ヽ  /  世に害成す、魔性の王
─=≒== -- ..ミ、  ヽ _ ,イ  |// }/⌒y'/     V//      },/
====--    ` ー‐ 、   _:__>‐─ ===ミ<  ̄ ̄ ̄ ̄`
===--          \´      -====≠\

11 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:40:52 ID:fOc0RAYE

       _                        -―‐
      /´ `\                      "     `
___jヘ´i´i´iゝ、\____________′       i    その魔王に唯一、対抗できる存在が
)) )) )) ))`ー}ー}ー} V >、――――――――‐.<ヘ,_,;      |
 ̄ ̄ ̄ヾ´ ̄`f-、f\i i-j`i_/´i―――――‐,ノ ( ●)      :|
      ヽ_/´,--ヘ /_r´    f_       ′ ¨';      :!
       ヘff´  `ヽi _  `ノ    __/:.`ー- ゙   j_____,{ヽ_
_       ゙ー、    >´_´i´¨   //:j::::i:::,ゝ_.::<.:.ヾ丶:.:.:.ヽ.:.ヽ       天からの御使いとも謳われる
.:.:.:.:` 、      \  >/  Y"ヽ__.ノ: : l::´.::::(::::::,イ´⌒.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
.:.:.:.:.:.:.:`> 、___, -.\]   ゝ、: : : : : :ヾ、:::::,::,イ´⌒ヽ、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i     ヽ_> ゙⌒`ヘ< 、    ヽ、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ、     `     l:| ー ___ ヽ、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\ ヽ       j:l    _     ヽ、_.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:          勇者
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ、二___.ノノ_> ´: :`、    j  {ヽ、_.:.:.:.:.:.:.:.:.:
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾY: : : :,イ  ヘ  ,イ   j.:.:.:.:\.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ j:i::.,イ ;  . : 、. :/  /.:.:.:.:.:.:.:..\.:.:.:.:
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:い\     : :,,7  /i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..\.:.:.:.:.:.:.:.:
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧ヽ、  、   //  /i/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,イ\.:.:.:.:    それが、やらない夫であった
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i ゝ、ヽ、_二彡´_   ,ノ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/

12 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:41:39 ID:fOc0RAYE

       ⌒ 、
         ヽ  ,,,,-----,,,,,,,_
      ,ー'""`ゞ/;\;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,`ヽ
       ,r-'"''''''' '' ヽ'''''''''''''''';;;;;;;;;;;;;;;;;;;,` 、
      ,-''`ー、   /    /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|     「討伐の暁には、褒美を取らせようではないか」
    ,.'"    \,/__ _   /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;|
    〉`ヽ  、/;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ '、;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;;;;;;;;;ゝ
   ./´` /  、ヽ;;;;;;;;;;;;;;;/.,  ``-、;;;;;;;;;;;;;;;;; ,`
   | / _,     ̄ ̄ ̄ ``ヽ,  |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`
   | \ 、           `、 |;;;;;/⌒ヽ/    「そなたの家が、豊かに暮らせるほどの褒美を」
   | ,,iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii,,,  ゙ヽ|;;/、' ` )
   | ァ--------------‐'ヽ;;;,,  `、 〉 ) /|
   .| .l ー-‐-‐-‐-‐-‐-‐-‐、, |;;;   (_/;;|
    | |;;;;;;;;;/:::::::::::::::::::::::::::::::l'    l  ''''|
    | |;;;;;;;/:::::::::::::::::::::::::::::::::::/    .l    |     「さあ、行け。行って魔王を討ち、この世界に住む全ての人間を救うのだ」
    .| |;;,-‐-‐-‐-‐-‐-‐-‐`/    /    .|
    `i  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   ,/     |
     |   -ー''‐-       ,,-''       |
     ヽ______,,,,--‐‐''---''' ̄ ̄ ̄`i
     /Yヽ  '/                 `l   「期待をして待っているぞ」

13 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:42:13 ID:fOc0RAYE

       , -―- 、
      /     \
      /  \_   |  やらない夫は独り、魔王を捜し求めて旅に出た
     (●) (●)   |
      (_人__)    /
      l`⌒´    /    不浄の生まれであったが故に、その出立は密やかに行われた
      |      ヽ
      __!、____/  \
    /、 ヽ     r 、 ヽ   家人の見送りは許されず
    ハ ヽ Y`l     |  >  Y
   { ヽ_ゾノ     | レi i i}
   `¨´  ヽ    ハ  `'''   日が昇るよりも早くに
         >   / ヘ
        /  /ヽ  ヘ
       _,/  / ご_ノ    夜闇を掻き分けながらの出発であった
      ( ヽ /
       \__ノ

14 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:42:53 ID:fOc0RAYE

    ''''' '''';;;;;;;,,,;;;;;;'''''';;;;,,,,       ''';;;;,,,        ''';;;,,,    ,,,,,;;;;;;'''''';;;;;,,,,,,,,,    ,,,,,,;;;;;;;''''''
      ,,,;;;'''''' '''';;;;;;,,,, '''';;;;,,,,      ''';;;,      ,,,,;;;;''''    ''';;;;,,    '''''';;;;;;,,,,,;;;;;;;;''''''
     '''''''''     ''''''';;;;;;,,,, ''';;;;     ;;''    ,,,;;;;;'''''       '''';;;;,,,      '''';;; ''''';;;;;;;,,,,,,
                ''''''''';;;;;;;;,,,,   ;       ;'          ,,,,,,,,,,;;;;;''''       ';    ''''';;;;;,,,
''''';;;;;;;,,,,,,,                ''';;,                     '''              '     ''';
   '''''''''''';;;;;;;,,,,,,,     ,,,;;;,,,                                       ,,,
    ,,,,,,;;;;;;;;;''''';;;;;;;;,,,,,,;;;'''''  ''''';;;;;;;,,,,,                      ,,,;;'''''';;;,,,     ,,,,,;;;;''''''
    ,,,;;;;'''    ''';;;''            ,,                  '    '''''';;;;;,,,,;;;;''''''';;,,      ,,,;;''
,,,,;;;;;;'''''''       ;'         ,,,,;;;,;'''                 ,,,,;;;''''  '';;,,   ''';;;;;;;,,,,,,,;;;'''''
            '       ,,,;;;''''''                     '';;'       ';,    '''';;;;;''
     ''';;;,,,,,        ,,;;;;'''                                ;,     '';,,,;';,,;''
        ''';;, ,,,,,,,,,,;;;;;;;''''''''
'';;;;;;;'''';;;;;,,,,,,,,;;;;;;''''''''''''                                  ';,       ,;
                                               ''''';;;; ,,,;;;''';;'
                                                 '''';;;;;    ,,,,;'';,
   ,;,,    ,,,,,,,;;;;;;;''''''';;;,,,,,;'                               ,;''';,;' ;'''';;;,,,;'''  ';,;'
,,,,;;;;'''''';;;;;,,,,;;;;'''''',,,,;;''                                         ,;''   ;'  ''';;;;,,,
;;;;;''  ''';;;;;''';,,,,;;;''';                                             ,,,;;;    '''''';;,,,,
      ;;;'';                                              ''''';;;;,,,,,,  ''';;,
'' ;~'',;''゚ ;~'',;'  ',;;~,;''゚ ;~`゙  
`:、 ゙''、,, ヽレ'``'.、レ',ィ!ゞヾゞYゞ              :               ,,,,.ィ;;wリ゙W゛jリwj:从wW
":;;;wリ゙W゛jリwj从リj  从 MwM 从 ゙''、,,_.,.__,..,._,.,_,.,_..,.,...,_..,._,.__,..,._,.,_.,,,,-‐'゛wj从 W:;,':,:;.,:;.:从wW
 从 wwリ゙W゛jリwj,、,、,、从リj"W゙リw;yノw''                  :''、,,゛jリwj从リj  :;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,
wMwM 从;: `:、 ゙''、,, ``'.、 ,:`:,,,,‐'゛                       ..::wwリ゙W゛jリwj,、,、,、从リj",:
 `:、,, `wリ゙W゛jリwj从リj`'.、 ,:                              :::.`゙''、:::.. リwj,、,、,、从



               世界は、魔王の吐き出す瘴気に覆われていた

              大地は乾いて砕け、風は腐臭を帯びて吹き荒れる

            陽は常に雲に陰り、気紛れに鈍色の霰が降り注ぐ事もあった

            草木は枯れ、朽ち果てた生物が時折、大地に横たわっている

          人間ですら、魔術師の張った結界の中でしか生きていられない世界

         勇者のやらない夫だけが、この荒廃した世界を歩んでいくことが出来た

15 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:43:20 ID:fOc0RAYE

:::::::.^''ー-、...,_::._,,,、,_:::::::::::::::_‐'¨'''''''^¨⌒¨^'‐.......,:::::::::::::._.、,/¨^'ー-'ーv.,_
:::::::::::::::::::::::::. ̄:::::::¨^'ー=ニ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::¨''ーニニ_:::::::::::::::::::::::::::::::¨^
                                                赤錆の丘を越え
:::::::、.....,_:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.,.,,、v-、::::_,.,、、、,_
::::::::::::::::゙'---ー'ーv:::::::::::::::::::::::::::.,,-'″:::::::::.゙'″:::::::::.¨''ーv,_:::::::,,,v‐¬v.,
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::::::._,,v‐″::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.¨^″::::::::::::::::¨''ー、,
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 "`''''''ー――---------- ,..................,,,,,,,,,,,,,.,__    __,.,,,,,,,,,,,,,,,,....................,---------‐―'''''''`"
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   ::;;: ;:;: ;:;  : :; :;; :: ;: .:.  : :; :;i, ;. ;.: .::; :., ::. :, :,; ., .: :, :,; .,.: :, :,; .,.:   .ノ 、 、        塩の平原を抜けた
  .','.',.'',.''.,',','.','.',.'',.''.,',','.','.',.'',.''.,',','.','.',','..',','. ; :;:  ;;:::;;: . ... .,;: ;:. .... .,:,.,..... . ..,,,,,● ●) l
  ;. ;.: .::; :., ::. :, :,; .,~.: :, :,; .,.: :, :,; .,.: ;. ;.: .::; :: .::; :., ::. :, :,; .,~.: :,.., '' ;;:  ; : . ' : ' ;;,(人__) |
  ... .,;: ;:. .... .,:,.,..... . ..,,,,, .、 ,. ....... .,:,.,..... . ..,,,,, .、 ,. ... ... .,;: ; " " `:;; :;:" ヽ    ノ
 . ;: ..., '' ;;:  ; : . ' : ' ;;, ,,;. ;: ...,. ;: .. ,: ..., '' ;;:  ; : . ' : ' ;;, ,,;. ;: ...,. ;:  ;: """ /   .ヽ
 ,, ;.;" .;. ".'';;;" ~, .;"’ .:.:".'';;;"  ,;';.;" .;. ".'';;;" ~, .;"’ .:. : ; "' ; ~ ;;: ; ; "(|   | |
                                              ゝl  し'
                                              `(_ノ

16 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:44:16 ID:fOc0RAYE

: : : : : : : : : :   : : : : : : : : : : : : : : : : : :  : : : :   : : : : : : : : : :   : : : : : :
      :           : : 、‐``‐、             : : :  : : : : : : : : :
   : : : : : :        : .,,/`::::::::::: `ヽ            : : : : : : : : : : : : :
   : : : : : :       _,,、'`::::::::::: : : :: : : ::::'、:
           _r'":::::;;;;;;;;;;::::::::::: : : : : ::::`‐、、    : : :
         、,-'゜::::;;;;;;;;;;;;: : : :::::: : : : : : : ::::::::::::ヽ,、: : : : : :             羽虫の死骸の山を駆け上り
       ._、‐′:::;;;;;;;;;;;;;: :  : 、: : : ;;;;;;: : ;;;;;;;;:::::::::::゙'‐、、: : : : : : :  :
     _,/`: : ::;;;;;;;;;;;;;;;:  : ;;;;;;;:   : ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::``'ー''ー-、: : : : : : :
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..,,rl″: : :::: : ;;;;;;;;;;;;;;;: : : : : : :;: :    : :::::::::::::::::: : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ.: : : : : :
″: : :::::::::: ;;;;;;;;;: : : : ::::::::::::::::: ;;;;;;: :  ::::::::::::::::::::::::: .: : : : ;;;;;;;;;;;;;;: : : : : : : : `、、: : :







"''''~"'"~~"'"~"''''"~"''''~"''''~"'"~~"'"~"''''"~"''''~"''''~"'"~~"'"~"''''"~"''''
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;;;._,,,..._,,,..,, ;;;._,,,..._,,,..,, ~"''''(人__) |"~~"''''"~"''''~"'"~~"''''"~"''''~"'"~
~~"'"~"''''"~"''''~"'"~~"'"~"'ヽ    ノ"'"~~"'"~"''''"~"''''~"'"~              腐汁を湛えた湖を泳いだ
"''''~"'"~~"'"~"''''"~"''''~"''''~"'"~~"'"~"''''"~"''''~"''''~"'"~~"'"~"''''"~"''''
~;;;._,,,..._,,,..,, ;;;._,~"''''~"'"~"''' ;;;._,,,..._,,;._,,,~"''''~"'"~"''';;;._,,,..._,,,..;;;._,,,...~"''''~"
~~"'"~"''''"~"''''~"'"~~"'"~"''''"~"''''~"'"~"'''~"'"~"''''"~"''''~"'"~
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17 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:44:47 ID:fOc0RAYE

                        , '´ ̄`ヽ、
                  く 二三] [三>
                      |i i i i||ii|
                      |l l l l 凵ll|
                      || | | | l|l|        やがて、枯れ木と死骸ばかりだった世界で
                       || | | | ||||
                        || | | |∥l| ||
                     jll | | | || || ||
                     ///,l| | || || |ト、
                  厶//l|| レ=、l|l以ハ
                 r仁_ヽ」|Y::.::.:`´::.:l| , -‐-、    やらない夫は、ある生き物たちに出会う事になる
         r、___ / ヽ \ ヘ::.::.::.::.::.::} }ヘ、   ヽ
         {ミ|     「|    `、 ヽ゚ >'´ ̄ Y7 l|    l|
       __」ミ!    ||    r=ミ、_/ r_、 l,_仆 〃     l}ヽ、
    ,ィT´   Vハ   ヾ、  /^) Y!、_」「/∧″    /  lト、
   /| ヾ、     Vハ    r¬-/ /二__ヾ=彳V!∧ _ ∠ / /}
.  ∧  、 \    }‐ヘ /-、 / ,癶、\`>、 ∨〈::.:: }=ニ´ //       それは、魔王が戯れに作り出した
  {  ヽ、\__ ̄了   V {::.::.:/ 厶ハ ヽハヽVハ レヘ=二二>'′
.  \__\_了       `¨仁_)、 Vヘ ヽヾ ハ└rく //
   └< `丶、       ハ|| ヽ !∨] ||〔| ト、|l/
      `丶、 `丶、__/^Y ! l  ト、 l 「 〕||〔||Y| |
           `丶、_《ニ=}┤|  ! l | 「 ]||[ | }_」 l |
              `r┘!l /下、「 〕||[ |l| M |           奇怪な、異形の生物たちであった
                 `r彡| | {_〕} l l「 ]||[ ll|{〉l l| L. _
                 >‐r宀〔 j l j「/〃/∧ノ ,仁二}_)
                 └十ークノ厶/ / `´
                  `ー<二- ‐'´

18 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:45:35 ID:fOc0RAYE

                        ┌‐┐
                      ├ ┤
                     l―|
                     l―|             薄暗い日中に
                      ├ ┤
                     _|_」_
             __    └何。0} ̄   __
           ノ  O`丶、  `浮′   _ノ O `ヽ、
           }=、 _     てニ三ニ)´ ̄   , -‐=く
          __ `ヽ、  `ヽ、_   ヽ/゚ヽ/   /   ∠ _     暗闇の寄り添う夜中に
         ( /丁¨ ̄ ̄`Y^>`=´二`=べミY´ ̄ ̄ ̄ {_入
       //〉厂f丈ニニ厶>'´二三二`丶、弋二ニ刃 ̄{ ト \
.      //〃 //l} ∠二>'´二三二`丶、二〉   Vハ  V!\ヽ
     //〃 //〃∠二フ彡',二ニ=ニミミヽ、ヽ、\_ ヾヽ ヾ、 l |
.    //〃 //〃 {二三彡'´ { 廴》 l}`丶ミ`==く  |l| l   |l | |    不意に姿を現し
     l |〃  | l〃 厂三二=‐-ゝ二∠-‐ニ二三ニ{  !l| l   l| | |
.    l 「||   | |l| r仁二二二二二ニ=ニ二二二二二迅 l|| l   || | |
   |l l|   | |l| ¬´丁 ̄| ̄ ̄「 ̄ ̄「 ̄¨丁`¬‐r┘l||| 」| | |
   _土t」l_ r土!lL ! 」::.::. l    |::.::.::.::.|   |::.::.::| !  |l」 |_ 」|_| |_
 r┴=―ヘ==‐} Vヘ::.::.:|    !::.::.::.::|   l ::.:::;' / /二二ヲ二ニ二ヽ、
.く====ヲ==7 ヽヽ::.::',   l::.::.::.::|   /::.:::// く ̄ ̄く ̄ ̄ ̄ ̄ フ
 ヽ、   /   /  \\ヽ   ',::.::. ,'  /:::/'′ ヽ、   \   /    彼らは食う為でも、楽しむ為でもなく
    ` ̄  ` ̄´       rヘ\\ ',:::/ ∠{}'´       ̄´  ` ̄´
               〈/ `匸ニ{ヱ厂´
                   |L.{ヱ}
                  ∨{ヱ}
                  ∥{ヱ}                    無意味にやらない夫に襲い掛かった
                  厶f-┴、
                       ̄ ̄ ̄

19 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:46:10 ID:fOc0RAYE

                         ___ノ'7
                       _,,ィ   f
                    r'Y",,.ィ  /
                    // r''⌒`ヽ_____
                   .//,f´::::::::/   _,,.`L_         その全てを
                  // {;;;;;;;;;;/  //.´  Y
                _,>'"´    \ .{ {     `ヽ、
              /,,.. - ' ´  >' .| |       ``ヽ、
              ( '   _____,f.´ ``ー,| 」     ,. . . . . . `、      やらない夫は斬り殺した
               ,>'7"´ /  /    , ┴― 、彡三V三ミ、)
              ./ /  /  /    /       ヽ:      .`)
             / /  /  /   ./            |       .f
            ./ /  /  /.    '             |       |      腰に提げた二束三文の剣を
            ./ /  /  /.    |               iヾ`、_ >
           / /  /  /      | __ノ !、_   ノ/ | ヽ `iミ、{、
           / /  /  /     ∧( ● ) ( ● )   // ノ  ;ノ  `ヽ、
          ./ /  /  /       丶,  i  丶 /リr'" /,,... ―.、  ヽ   異形の者ども目掛け、やたらめったらに打ち付けた
         / /  ;;/;;':/_,;"`      、. 人  ノ /::/  .///⌒ヽ、`ヽ、ヽ
         /;/;;;:;;/;;;;∨━━ - ・    ` ー匕_{:::::|  ///     ``ヾミ、}
        ./;:/:;,/;:::,7´¨           トミ、マ、ソ ;'.{/    _,,..―、  `7
       /',/:::;"/;"../.             `ヾt。}::}  リ   ./ _,,ュ=,>-{、
      ./ /  /  /                ゞミ≧、/|  / //"    `ヽ、
      | { / ./                  `ト、   \|_/ ./  _,,zェェェz、  }
      | `´ /                    マ:`ー、___ユ { ト,f r"    `ヾミ三ア
      |>''´                       >、_: : : : :`マ `、:`ー、_   }__,..ィ

20 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:47:17 ID:fOc0RAYE

                                       |       : : : : :/  ..:     .......:
          _                        _r、‐、 l      : : : : /  ..::   .......:::::::::
      _,,-‐≦>ヾ,、                 _ ,,-=≦´_ヾ}_ノ l      : : : /  ..::  .....:::::::::::::::::
  _,,-‐≦>''´  ,,ィヽ},      r-'⌒⌒ ヽ、-r=≦´_ ,,-= ''´  `´  !     : : : :/ ..::  ...:::::::::::::::::::::::
≦>''7      ソ  ヾi   _,,-ヽ ヽヽ } |_j=-r ''´_,ィy-=´ ̄`ー- )    : : : :/..::::: ..::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::ノ   ,, =´     Yイ´   _}'´)、_,,-‐ ノ  }`< /:、: : : 、: : :/   . . : : : /:::::: ..:::::::::::::::::::::::::::; -
'''´ ̄,, = ´        !}_==''´ ヽー、ノ : : : :j: : : : ヽ: : \: :ヽ i'   . . : : : : ノ:::::: ..::::::::::::::::::;::- ´: : :
= ´          //        \__,, イ、__: : !: : : :// :ハ  . . : : : /::::::: ..:::::::::::;;- ´: : : : : : ;
              ノ            /  `ヾト、-':::: :; :/ ハ : : : /___ ..___、='´ : : : _; -‐''´
       _,,-‐≦>''´              {    ::| ', : : : |j/ : :i: : :/''´ ̄:::::ヽ:,-‐':::::::::T ̄
   _,,-‐≦>''´                     ゝ、ノ   :i__', : : j/ : : :i/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ、
-‐≦>''´                      丶,  、 iヾ,、/ : :/;:'::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::.ヽ
''´                            _>-<_,_}// /:;:'::::::::::::::::l:::::::::::::::::::j:::::::::::::::::::::::.ヾー-
                         r-ヽー' ヽ,,/:://::;:'::::::::::::::::::::l:::::::::::::::,:イ::::::::::::::::::::::::::::::::`::;
                        ノ` 、_,,ィ''´:::::::::::::;::':::::::ヽ::::::::/::!::::::::::::ナ-ー二ニニ- ー '' ヽ
                       / r, , j:::::::::::::::::::::;:!::::::::::::::ヽ:::/::::::::::::/
                        ̄`ーr'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ:::::::::_/
                           }-‐ 彡´ヾ、::::::::::::::::::::::::::::; ´
                         /  ´,ィ丶 ヾ\::::::::::::::::::r '



                  釜戸の贄神を崇める教会の中で、異形を殺した

                 うず高く積み上げられた人骨の上で、異形を殺した

                    宙に浮く水晶の鐘の下で、異形を殺した

                            己の身を守る為に

                               あるいは

                     王から与えられた勅命に対する義務感と

                  曲がりなりにも勇者に生まれた事の責任感ゆえに

                            目についた端から

                         異形を討って回っていった

21 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:47:48 ID:fOc0RAYE

   o
    ゝ;:ヽ-‐―r;;,               。   異形は、卑しく、汚らわしく、おぞましき力を持っていた
,,_____冫;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:\      ,,,,,,,, o  /
"`ヽ;:;:;;;:::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:从    (;:;:;:;:ヾ-r
   〈;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:) 0  ソ;:;:;:;:;:;:;:}       だが、やらない夫には適わなかった
  ,,__);:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ノ     ゞイ"ヾ,:;:,ソ
  (;:;:ノr-´^~;;r-ー⌒`    ,.、
  "  ,,,,      _;:;:⌒ゝソ;:/            魔王の因子を押さえ込む
    (;:;:丿    (;:;:;:;:;:;:;:;:;:)
            ヾ;;;;;;;;;;;;/; \
            ´  /;:ノ 。  。        それが、勇者の力であったから
                ()

22 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:48:20 ID:fOc0RAYE

     .___      故に
   ./ ノヽ\
   ;| (○)(○|:   旅路にあって、最も恐れるべき事は
   :|ヽ (_人_)/;
.   :| |. ⌒ .|;    異形に襲われる事よりも
    :h   /;
    :|  /; ’     飢える事と、渇く事であった
    / く、
   ;| \\_
   ;|ミ |`ー=っ

23 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:49:13 ID:fOc0RAYE

        '∨     X.
        j    ー/    飢えをしのぐ為、そびえる枯れ木を掘り返し
       /=‐  r'´-ヽ
       ,' _,, 人 ''"`、
        {ー /  \ -'}   その根を齧り、しゃぶった
      ハ  〈      )八
       ヽ )   ((
       ノ/     ')
     ,_/`



   ゜          。         ○       ゚     。   ゚              乾きに耐えかねれば


      ○          ゚         。        o      ゜      降りしきる、薄汚れた雪をかき集めて布で包み

    o      。        ゜      。            ゚

  。     ゚       。        o        ゚   。              そこへ吸い付いて、喉を潤した

24 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:49:38 ID:fOc0RAYE

        / ̄ ̄\
       /   _ノ:::::::\
.       |    ( ー)(○)   だが、それでも飢餓はやらない夫に纏わり付いた
       | u    (__人__)
       |.:.:.:.:.:  ` ⌒´ノ
.       |.:.:.:.:.:.:.:     }    一握りばかりの乾いた木々の根を齧れば、口中が血で溢れ
.       ヽ.:.:.:.:.:     }
        ヽ     ノ
       ./.:.:.:.:.:    ヽ    重苦しく空に蓋する曇天は、汚れた氷雪すら出し渋った
       |.:.:.:.:.:.:.::     |
       |   i      l .|
       |  |      | |    生への渇望が、常に腹の中に横たわっていた
       |  |.:.:.:.:    | |
      (__ソ.:.:.:.:   丿_ソ
        il|   ト-i  |li
        il|   |_|  |il      :;:;:;:;
     il/⌒ー   丿  __/il :;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
    ilヽ_ヾー´ ヽ-イi :;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
       :;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;

25 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:50:07 ID:fOc0RAYE

          /  ̄ ̄ ヽ
         /  _ノ:::::::ヽ\   ある時、荒れ山の中で、やらない夫は倒れることになる
         l  ( ○) (○)l
         l li|il::(__人__)::i
         l :::::u /   /:::::i   数日の間、木の根は愚か、僅かな水気すら口にしていない
         i     `⌒´   }
       /⌒ヽ      ノ
      /      \ ー‐ / `i  山道を一里と歩かぬ内に膝が笑い
    /    , ⌒ヽ ヽ  / /
   r´    /    \ ヽ /
   {    < :       (__ノノ    乳飲み子の如く頭が揺らいだ
  .;i  /\ ヽ ;      | |
 ;/ /;  \ i :.    | |
  (_ )   (_ヽ.     | |



              / ̄ ̄\
            /  ヽ、_   \
           (ー)(ー )    .|        最早、立っている事すらままならなかった
            (__人__)li|il   |
            (,`⌒ ´     |´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ   目まぐるしく視界が回り、意識が遠退く
.               {         |           ヽ\__
       ____.,{        /           \__)_  やらない夫は、自らの視界に幕を下ろした
      (____`ヽ_(  ̄ ゙̄  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ、       )
                 ̄ ̄ ̄                 ̄ ̄ ̄

26 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:50:19 ID:fOc0RAYE

       ____
      /       ̄\
___ /          ヽ
             へ i |
      ___ ':⌒ | ゝ/
___\_____三)-イ

27 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:50:41 ID:fOc0RAYE

       ____
      /       ̄\
___ /          ヽ
             へ i |
      ___ ':⌒ | ゝ/
___\_____三)-イ

28 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:51:07 ID:fOc0RAYE

       ____
      /       ̄\     いくらか時が過ぎ、やらない夫は意識を取り戻した
___ /          ヽ
             へ i |
      ___ ':⌒ | ゝ/    飢え故に卒倒し、飢え故に覚醒した
___\_____三)-イ



       ____
      /       ̄\   土くれた大地に転がるやらない夫の耳に
___ /          ヽ
             へ i |
      ___ ':⌒ | ゝ/   何処からか、響いてきた音が囁き掛ける
___\_____三)-イ

29 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:51:30 ID:fOc0RAYE

       ____
      /       ̄\
___ /          ヽ   流れ落ちる水音
             へ i |
      ___ ':⌒● ゝ/
___\_____三)-イ     川がある

30 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:52:04 ID:fOc0RAYE

             / ̄ ̄\
           /  ー三三\
           |   ( ○) ( ○)   やらない夫は起き上がり、水の音を辿って歩き出した
           |     (__人__)
           | u    ` ⌒´ノ
           |        }
         r⌒ヽrヽ,    }     地に伏すほどに消耗していた体であったが
        /  i/ | __  ノヽ
       ./  /  /      )
       ./ /  /     //
      /   ./     / ̄、⌒)   本能が体を強く押した
      .ヽ、__./     / ⌒ヽ ̄
         r    /     |
        /          ノ
   /  ̄ ヽ/      /    /
   / ノ| /    //   /      斜面を登り、あるいは降りて探し歩いた
    ̄  | .   /./  /
      ヽ__/ / /
         ノ.^/
         |_/

31 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:53:23 ID:fOc0RAYE

                       ノ|               ,ノ      ゙"゙"゙"゙"
                     ,/lll |               |ll\,,         ゙"゙"゙"
       "゙"゙             〈ll  lソ:: ::             ゞ,,ll|゙"゙"゙"゙"
                      " ̄\::              |_,ノ''   ゙"゙"゙"゙"    ノ ̄ノ
                "゙"゙ ゙"゙"゙    ヽ            〈,, _      __ノ^ 〉 〈
                          〉             |lll  ⌒ゞ_/^ー'|   |l  |ll  ;〉
                        "゙"゙(             |ll    l|   ,l|ll|  ノ、ノーソ\_
                       .,,_ノ|            |ソ __人__|/ ̄ ̄
              "゙"゙"゙"゙  ,   〈ll |〈::::           ,,ヾ〉
               _    ノヽノゝ) | |:::: :::        / ̄ ゙" ゙"゙ "゙"゙ "゙ "゙ " ゙"    ゙" ゙" ゙"
                ∨ ̄  |  ;|ll l|,ノ:: ::         |ll〉    ゙"゙ "゙" ゙"゙"         ゙"゙"゙ "
                 |lll l  ll|  ノl ノ::: ::        ,,_ノ
          ____人__,,ゝ'''\:::. ::       ,,ノ             ゙" ゙"゙  "゙" ゙"゙ " ゙" ゙"゙"
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                ,,__    ,,ノ|       lヽ_,,  ゙"゙"゙ "゙"゙" ゙"        ゙"゙"゙ "゙"゙ "゙"    ゙ " ゙"
                /|〈,, ll~⌒ ̄|llノ        |ll lヽ
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             (__ノ::: :: ::            _ノ           ゙"゙" ゙"゙"  ゙" ゙" ゙"
                  ̄ヽ__         /
            "゙"゙"゙"゙  "゙   〉::       /   ゙"゙ "゙"゙ "゙ "゙" ゙"゙ "゙"   "゙"゙ "゙ "゙"゙ "゙ "゙ "゙"゙"゙"
                      ノl|::: ::     ::|\      _    ゙" ゙"゙"         ゙"゙"゙"゙"
     "゙"゙      "゙"゙      ,/llノ|:::: ::     :〈  ゝ:ーv―"  ヽ         ゙"゙"゙ "゙"
                 _/  ノ::: ::     :::L,,     ll l ll||
                /|ll |ll ~::: ::       :::\|ll__|ll ,,ノ゙"゙"゙"       ゙"゙"゙" ゙"゙"゙"
              ノ'~                      /



                      はたして川は、そこにあった

                             だが

         急流たるその流れを作り出していたのは、黄身を帯びた乳白の液体であった

            青臭い異臭を放ち、わずかな粘り気を持って上流から流れ落ちてくる

                  得体の知れぬ液汁が、飛沫を上げていた

32 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:54:08 ID:fOc0RAYE

        / ̄ ̄\
       /      \
       |         |   やらない夫は暫しの間、呆然と川を眺め
      . |         |
       |        ノ
      .  |        }
      .  ヽ        }    その後に、ゆっくりとした足取りで、川上を目指した
   ,,.. .-‐'         \
  <"   ,__,,_           \
  ヽヾ丿  |          i  ヽ
    ヽ&  |         |   ヽ   上流であれば、この謎の粘液に汚染される前の
         |, ,_        i''ヽ、  )
         i        , -ii、^゙''"
         |    へ  i    i
        .|   /  \|    | .    清流が流れていると考えたからである
        |  /      |    | .
        |  /     `--- ´

33 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:54:55 ID:fOc0RAYE

                                      (工工工工工)
            ,._ri≦にヽ                          iこ二二二二i
          il≦≠≦ニ彡ヽ                        メ二二二二ィi
          il三三三三三彡     ___〃Y:⌒:Yミヽ       イニニニニニy
           ilこニニニニメノ ヽ、 メヽゞ〈:::::::::::::〉   ゝ   i⌒ヽ二二ニ,イ ヽ
           ilこニニニニイノ    ヽメヽ  弋:::::::ノ  ノ)ヽノ   ヽ二,イ    ヽ
           ilこ二二イノ      ハ弋  忙兀 ィ ノ ヽ、    Y      ヽ
           Λこ=イノ   ≦'"´ミY   ヽゝ乂ノ ノヽ   ヽ  丿八ヽ  し   li
           ilヽヽイノ    iミエエ杉i   丿八ヽ   ヽ   Y ./人ヽヽ      li
           il ヽヽ     iヽミミ彡ヽ Y ./人ヽヽ   ヽ  Y{ (c) .} } ~つ  li
           il  ヽメ     liゞミミ彡彡ミY{ (c) .} } O  ヽ  ゝ入ノ、ノ~つ   li
           ヽ  i    li ヽミミミ彡彡ゝ入ノ、ノ     } 丿 Y ヽノ   O  li
            ヽ、    メ  ヽミミミミ彡rヽヽヽ、 し ノ /入ヽ、  し    li
 乃'"´"´^ヽ     ― 7'ヽ''メ    ヽミミミミミミミi ` ',ヽ、 ノ / ,イrヽヽヽ、      li   ___
 i≦ミミミ彡ヽ    / /人ヽ     ヽミミミミミミミ ヽ、ヽ`. ´//〃i ` ',ヽヽ、ィ  メ   〈ヽヽ
 il彡彡彡彡彡ヽ ノ { (c) .}⊂つ   ヽミミミミミミミ i | } ‐ 、/ i ヽ、ヽ`. )  ィ    ノ彡ヽヽ
  il彡彡彡彡彡ミミミゝヽソノ   ⊂つ  iヽミミミミi!ミ | !/,. ‐ ノ! { ,工三三三三彡彡彡彡彡ヽヽ
   ヽ、ミ彡ミ彡ミ彡 /入ヽ、o   ∩   \ヽヽミミレJ.|´j ヾヽ! i i!., 工彡彡彡彡彡彡彡ミミミミノ
     ヽ、ミミミミミ/ ,イrヽヽヽ、   し   し\ヽヽ ノ / U i  ,ゝ ', 工工三彡彡彡彡彡彡メメ
       ヽ、ミミミ/〃i ` ',ヽ        し   ヽ``'ノ´ U  . し \ヽ彡三三三三三三彡イィ
         ヽ、ミ、/ i ヽ、ヽ`.                   - _ ヽ``'ノ´ `

                      だが、川の最上では

                  巨大かつ醜悪な身構えの異形が

                          絶えず

            排泄物とも、性液とも区別の付かぬ卑しい液体を

                  川中で、自らの身を浸しながら

                 吐き出し続けているだけであった

34 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:55:35 ID:fOc0RAYE

     / ̄ ̄\
    /   _ノ  \   やらない夫の体から
    |    ( ○)(○)
 .   |     (__人__)
    |     |r┬-|   再び、力が抜けた
 .   |     ` ⌒}
 .   ヽ        }
     ヽ     ノ    棒となった足を支えていたものが、旋毛から抜け落ちた
     /     \
    / /\   / ̄\____l⌒l
    | |  \ /  ヽ \_____|  唖然として、川の中の異形を眺めた
 Σ(⌒ノ   ゝ    \__)

35 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:55:55 ID:fOc0RAYE

 :;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;` ̄──__二三三二`\_」│ ∥  │
  ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;::;:;:;:;:;:;:;:          ;:;:;:;:;:;:;:;:;:  ∥  │   しかし、がらんどうになった
     ;:;:;:;:;:;:;:;:;: > ─ ̄´二 ̄ ̄ 丶\;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:\  /
        _/     ,ィ炙ノ ㌧     \;:;:;:;:;:;:;:;:;:│ ノ /
      //     ,彷/O ゚亥. 心     〉 ;:;:;:;:;: ノ//-
      く│     以亥亥主主/!    /    //二     やらない夫の内を
        i      W圭靈圭' ,У    /   //≡=、
       ハ、     `冬圭竺才   ノ   ;:;:;
         \            ;:;:;:      /
                  ;:;:;:;:;:;:; ;:        i.     徐々に、黒塗りの力が充たしてゆく



                      ,rΥ:r:´: : /: : :ハ__
                 /: : し|: :ノ:(^\/: : :〉 __
                r‐f: : : : ゝ〈__入 : \ー厶クーi
              , <: i: : : : : ´: : : : :`: : :}//</    それは、目の前で悠然と脈動を繰り返す
           , <: : : : : :{ : ヽ: : : : : : : : :/ へ´__×
        , <: : : : : : : : : : : : : : : /―// ,.\/\ \
        , < : : : : : : : : : : : : : : : /    .ゝ/   \. \ \
     <ヽ、: : : : : : : : : : : : : : : /             \. \ \
      |ヽ∨: : : : : : : : : : : : :/             \. \ \     丸々と太った異形に対する
      { ヽ∨: : : : : : : : : :λ               \. \ \
      `ヽ ヽ ゝ---‐‐´フ                     \. \ \
                                       \. \ \
                                        \. \ \
                                        \. \/\¨ヘ __     怒りと嫉妬であった
                                         `/////\У: > 、 __
                                          \//////: : : : : /: :ヘ
                                           \///: : : :./: : : : :}
                                             У : : /: : : : :/:.`ヽ
                                             {: : /: : : : :/: : : : /^ヽ
                                             ゝ/: : : : :/: : : : / : : ヶヘ
                                              ゝ、:_イ: : : : :/ : : /ヽ: ヘ

36 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:56:14 ID:fOc0RAYE

                                      , ,'
                                     //
                                   / /
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                         / //
                        / //                 やらない夫は、巨大な異形に取り付いて
                      / //
                     / //
                   / //.    , ―‐‐  、
               r 、__/ //      '      `.        その、頭頂と思しき最も小高い部位によじ登ると
              _| ∨//       l_ノヽ,___  l
             r'ノ`ヽi}/        l:::::::::::::::::: >≦三≧;,、
          _rァミYヽУ_)|             (_入__ )メ////////,〉
         r{ノ/ ヽハノ/}i\   ,∠二二> ―'<三≧x//////,j           腰から粗雑な剣を抜き
         _Y´   人ノ7777777´////∧`Xx、ー-ミz////`j///
        /彡、 У ,////////////////////,ヽV///////>/
.       }-イ⌒´ー`ゞj/x,、/////////,/////∧\/////>,;/V
             `¨¨'''''ー‐r┴-ミ∧\V////><///////
                     ヽ三三 7.::T´f´ ̄ハ////////,/
                           ノj:::::{ _j_  f ヽ,///////
                     /:::::::::/ _,'_ ji X,/////

37 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:57:01 ID:fOc0RAYE

                     , ,
                    '.: ´
                  ,:' , '
                 , /
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              ,:'  .’           /  ̄ ̄ `ヽ                , ⌒ ー ‐ ''イ
                 i             ノ /  ̄ .丶  \           , '´       _ -‐'
             ,'   7         / /      V ヽ. \        , :'         {
             ,': , 、、           |  .i._\   /  i   ヽ ヽ       }             '.
             { /  ` <       i   |:::::::::::::::::::::: |   , |  i      /           _}
           /  /     ` <    ゝ.  ヽ (_人__,) /  ,’イ  V     (        ,  '´
          ,'   /            ` <  ゝ  ヽ`´_`_ノ   /」    \     .ゝ     ,'
           /       _       `i}<∧  ヽ  ヽ  ´/   i  ヽ /      {
     ,; : : ⌒ヽ /       /:::>:::..._    `ヾ   ゙i  |  /    丶  |{      , '´
    , ’     ./       /::::::::::::::::::::::::i}`>::..._ `ヽ-.,,>  ,´ 、        i )     /
   :   :. :... . /       /:::::::::::::::::::::::::/{::::::::::::::::>|i:|   7  \    メ-;;;'     .{
 ヾ {      /        /:::::::::::::::::::::::::::i;;i::::::::::::::::::::::|i:|_.ィ´     ヽ、ノ;;;;;;;;;;;;;丶 , '
  \ゝ    ./        /:::::::::::::::::::::::::::::};;|:::::::::::::::::> |i:|     っ: . ' ゝ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;    ⌒ヽ _... _ _ .:.. .-,
    .>、  .:〈       V:::::::::::::::::::::::::::,';;;|::::::::::://¨´  ー: ゙    / ヽ ヽ  |  _ .;'`          /
   , :'⌒ヽ.:..V         .V:::i::::::::::::::::::::’;;;|:::::://   , .: ´    イ__ _. .\ i  ヽ.;'`          /
  ,:’     .V         .V|:i::::::::::::::::,’;;;i:://    '      'ー ¨ ¨´  乙!,;;;;;;;;;;;;          , '´
  `ー- .:._ : .V        .|;;|:::::::::::::::|;;;;;;;{/   .: '      'ー ¨´    ./;;;;;;;;;;;;;i     :.. .: .  /    ..
こ_ '' ー _ ゝ:. . V      |;;|:::::::::::-/;;;;:'´._. :.; '´              `´ ̄ ̄         {
   ` … 二.  V      |;;;;、_ ノ;;;;;:'.:.::      ,.: ''´   ´ ,’          ;;      _ ..ノ
         ゝ _.V     };;;;;;;;;./  _   , -‐''´      ,:'      .''´
          ヾ .Vヽ /{/;;;;;;;/ ./ }イ´          :    ,: .:'´
          ハ .V;;;ヾ;;;;;;/ .{ ゙’              ` ⌒ '’
           ’:. V;;;;;/_ , :.'
            ヾ;'´


                      力のままに、振り下ろした

            内から湧き上がる黒さをそのまま、幾度となく異形に吐きつける

             飢えた身から発せられるとは思えぬ程の、素晴らしい膂力は

                         異形の肉を弾き

                         体液をしぶかせ

                         骨を砕き割った

38 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:57:53 ID:fOc0RAYE

                           __   __
                ,,,_________,イ::::::::::::::::::::::::::::::ヾ   小半時も経つ頃には、異形は元の形を窺わせぬ程に
               丿::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}
              {:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ    花開いていた
             _廴:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ
          ( ̄:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ー- 、  異形が浸かった汚れた水かさは、次第に低くなっていく
          ..`ー、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::と_
             ゝ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: `:::、  川は、枯れていた
             {.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::j
              ` ̄ ̄ ¨´ ゚゜  ̄ 廴::::::::::::ー''''''::::: ̄::::::::;;;;; ̄



        ./ ̄ ̄\
      ./      \   骨肉入り混じった死骸の上に、やらない夫は立ち尽くしていた
      |     ー  ‐ i
      |   ( ●) ( ●)
      |     (__人__)   身も心も、消耗しきっていた
      |      `⌒´i
      ヽ.       ノ
       ヽ      ノ     ここまでの命か
        .>    <
        |     |
        |     |      と、彼は力なく俯き

39 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:58:06 ID:fOc0RAYE

              l  /
        ./ ̄ ̄\  ′/
      ./      \
      |     ー  ‐ i
      |   ( ●) ( ●)
      |     (__人__)
      |      `⌒´i
      ヽ.       ノ
       ヽ      ノ
        .>    <
        |     |
        |     |



   / ̄三\
 /;;;; _ノ 三 \
 |;;;;;;;   ( ○)(○)
. |;;;;;    (__人__)    それに気が付いた
  |;;;    ` ⌒´ノ
.  |;;;;        }
.  ヽ;;;       }
   ヽ;;;l    ノ
   /    く
   |     \
   |    |ヽ、二⌒)

40 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:58:27 ID:fOc0RAYE

            , n / ̄ ̄\ .n
          . / / j.´_ノ  ヽ、u'l lヽ、
           /,イ / (○)(○) .l i i i
          〈 .r {u (__人__) .i. } } 〉     幾許かの間、悩み
          ', i.  ',   ` ⌒´ /   /
           .i   l.      ,'  ./
         .  ヽ、_.イ、.    人 ノ
             ヽ     〈_ノ ノ
              |     ./
              |    .   |

41 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:58:43 ID:fOc0RAYE

              _________
            /       'r r.r.r.i
           /        | | | | |
          /     u  .ノ.ノ.ノノノ
          ハ_ノ  ヽ、__  /   /ノ
         / (○)(○ ) .(    l ヽー―ー-、
        /  .(__人___)  ム   イ    r    ヽ
       ./   / ヽ`⌒´   |   .l    /     、 l
      /    /  八_ 、__ /l   |   ,'      l  l
    .  /   ,'       ヽ|   | ノ      ハ   l
     /    .l   ∧    |    レ'     ノ     l
    /     l  ノ  ヽ   |     |     ノ       }
   ∧     / ,〆     ヘ  l       , '       l
    ヽ、_,ノ'´        ヘ .l      /        ノ
                 ', |     /         ,'
                  ト、   ノ          ノ

42 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:59:00 ID:fOc0RAYE

                l           \
               /             \
             _ノ                    \
          _                       \
           /  ___    ヽ     / ___   ヽ
           l   /::::::::;;;;;; ヽ    l   l  /::::::::;;;;;; ヽ  l
           |  .|:::::::::::;;;;;;;;;l   |   | .|:::::::::::;;;;;;;;;l  |
    U      ヽ  ヽ::::::::::::::/   ノ    \ヽ::::::::::::::/  ノ
                ̄ ̄          .     ̄ ̄  、
                 /           l        ヽ
         U       l            l l          |
                 |        ノ ヽ        ノ
                 ゝ‐----一'    ゝ‐----一'
                    -_   _-―――-_ _-     ,
                                    ノ
                                   /
     U                            ノ

43 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:59:15 ID:fOc0RAYE

                      _  - ‐‐‐  -
                     .          `
                    ,             .
                                   ,
                   ‘
\                     i                  .:.:::::|
\\                    |  : .   ! l      ,:::::::::::::::::|
  \\                  |廴____,ノ ! ;,, __ _,,≦、_:
   \\                 |.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;゙       実行した
\   \\             | テ <::::> l ゙¨ー -<::‐:::::/
  \   \\              i {.     人      }::::::r
   \   \\         '. ー―  ` ---:::::::゙.::./|
     \   \\         :|'.    __ ....::::::::::::::/::|
      \   \\         !∧        ::′/:::::', ̄ ̄`ヽ
.          \   \\,.─‐ ‐| /〉       ::/:::::/:::\.l/:::::::\::::!三三二ニニ==‐
.          \   \\:::::::ヽ//У ̄ ̄¨ー──< :::::::/:::::::::_/::..:::::::|:::::::::::::::::::::::::::::
.         /.?\   \\///       l __  \/:::::::7::::..:::::::::::/メ::::::::::::::::::..::
    __,メヽ:::::::::.\   //∨ __ ...:::::l/         廴/::::...::::::::/:::/:::::::__...::::::
´ ̄:::::::::::::::::::::ィ|:::::::::::::::.\//  /  ..:ヾ:::::/             \──< ̄ ̄>、::::`::::
::::::::::::::::::::::/:::j::::::::::::::::://   {   ..:::::/    ..:::::::ノ    ...::::::ト、   \:::::::::::::..\:::::

44 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 20:59:45 ID:fOc0RAYE

                           
                  / ̄ ̄`ー---ヽ、
               γ‐- '": : : : : : : : : : : : : : : :`ヽ、    やらない夫は、異形の死体を切り分け
                 /: : : : : : : : : : : : :,--'⌒ヽ-r: :、: :〉
               /: : : : : : : : :__/`ヽ _,'__r、__!_,ィ:::ヽ
            /: : : : : :__,r'"´ ヽ,, <´::::::::::::::::::::::!::::::',
           ': : : :,イ   _ヽ,ィ"::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:::::::ヽ    肉とも、臓腑とも区別の付かぬ塊に食らいついた
          /: : : メ \/::::::::::::::::::::::::::::::::::,r'": : :!::::::: :!
            / : : メ\/:::::::::::::::::::::::::::::,r'": : : : : : : :!::::::::::!
         /: : /ヽ/:::::::::::::::::::::::::::/: : : : : : : : : : : : : ̄`'ー-、
          /: :/!/:::::::::::::::::::::::::/: :: : : : : : : :_: : : : : : : : : : : : : : `ヽ   骨を叩き割り、中の髄をすすった
        ヽヽ':,!、ノ::::::::::::::::::/: : : : : : : : : : : : :  ̄`ヽ: : : : : : : : : : : : ':,
         \: : :\::::::::/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\: : : : : : : : : : : ':,
          \!⌒\::`ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\: : : : : : : : : : ':,
            `ヽ: :ヽ^ヽ:::`ー- 、: : : : : : : : : : : : : : : : : \: : : : : : : : : :\     旅に出て以来、初めて満たされるまで
               ヽ: : `ヽ ヽ、::::::::::ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : ',: : : : : : : : : : :':,
                 \: : `ー二ニYニヽ_: : : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : : : : : : : : ヽ
                  `ヽ、: : : : : : ̄: : \: : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : : : : : : : : ':,
                     `ー--------ヽ: : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : : : : : : : :ヽ
                              \: : : : : : : : : : : : : : \: : : : : : : /          食べた
                                    \: : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : : ,イ
                                     \: : : : : : : : : : : : : :, イ
                                      \: : : : : : : :, ィ
                                     `ー---'"

45 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 21:00:12 ID:fOc0RAYE

                              /´ ̄`ヽ                
                   ________  __{_____  \、,_____.,,,、______
_______ii,,,,,,,,,r‐ー‐ュnヾ:::::::::::::::::::::::::::`ヽヾ:::: i´:::::: ̄ ̄ヽ:::::::::::::}}/::::::::::::::::::>.、
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄!!''''''''''`ム、_ノ<:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ\|::::::::::::/::::::ヘ\:::::::j /::::::::::::::://:::::::>.、_   
                   ` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄``''ヾ:::::::::/:::::::::::: ヘ::::::::::i´ ̄ ̄ ̄´`'<:::::::〃ト、
                                \:::::::::::::::::::::ヽ:::::::l        `ヾ;;ソヽヽ、
                                 \ヽ、、::::::::::ヽ:::l           ヘヽ=ミ、  
                                   ム:::::::::::::::::::ソ;;>、            ヽ〉へ)
                                    く;;;;ヽヾ;;ヽヾ∨7ヽ

                        それ以降、彼は旅で飢えることは少なくなった

                            打ち倒した異形を解体し、食らう

                                故郷で羊に施す事と

                               それは変わらなかった

46 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 21:00:32 ID:fOc0RAYE

.::.::.:.:.:.:.: .:.:. .:. .. .      ,.ィ┬ 、
             _,r{ ll~「r'⊆ヽ、
.:. .:. .. .    ,. -<フ´ {‘  {`弋ニ {   始めの内は抵抗があった
      ,      `、Λ}、_ ノ:::::::フ ノ
     /       } 、}  {:::イi {
     ,'  ヘ     `''V.,'   i´_T  l    醜く卑しき生物を食らう事に
    ,'    ヽ    ソ    ; /l  V
    }  `   ’、   /   ,/::|   ',
    i   ゞ、 ∧ '´    / へy   ',    嫌悪と葛藤を覚えた時期もあった
    }   /  ̄`;   ノ´⌒`、   ハ
    }  / : : : : : :` - '´V: : : : : : :-'´

47 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 21:02:30 ID:fOc0RAYE

                            ,,.. -‐''..::::::::::::::::::::..`、
                        ,,.. -‐''..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...\       だが
                   ,,.. -‐''..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..\
                ,-'''"..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...\
              /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..\
             /.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..\   故国を出たのが何時なのか
──── 、       /.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
::::::::::::::::::::::::::\   /.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
:::::::::::::::::::::::::: ::: \/.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/   どれ程の時が過ぎたのか
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::./
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::./      それが分からなくなる頃には
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..::.:;;、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :: /´\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /   \:::::::::::::::::::::::;,.,___r:::::::::::::::::::::::::|         ただ、日々の糧を得る為だけに
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/       \::::::::::::::;:|──‐\:::::::::::::::::::ノ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :: /           ̄ ̄ ̄  ;;. :∵   ̄ ̄
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /         ・:;.  ,、rー-'^ー;   ∴゛;.
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/             ,ノ::::::::::.:::::::::::::ヽ            そのナマクラの剣を振るうようになっていた
:::::::::::::::::::::::::::::: : /             {: ::::::::::::Y:::::::: : j:ヽ
                      亅 :::: :, : :.:.:.::.:.^::::::::.:\
                      ノ ::.': : :.:.:.:::::::::.';. : : :.:r:.:ヽ
                     厶:::::::::::::::::::::J::::::::::::::::::.:.:.y;ハ      駄剣が血に濡れない日は、少なくなっていた
                    /::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::::::::::.:::::::r:.リ
                    ‘ー‐ヤ⌒:7ー:z:::::::::::::::::::::::::::::::7
                           廴彡冖、::.:::.:y′
                                 `¨

48 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 21:02:50 ID:fOc0RAYE

         ∧
        /∧ .
        | |:. | |
        | |:. | |
        | |:. | |
        | |:. | |      孤独な旅路にあって
        | |:. | |
        | |:. | |
        | |:. | |
        | |:. | |
        | |:. | |     彼の唯一つの拠り所は
        | |:. | |
        | |:. | |
        | |:. | |
        | |:. | |
        | |:. | |     その、腰に提げた、名も無き雑多な剣であった
        |,x-.、|
     [ ,二´.《Y》.`二、]
        `゙iミi゙´
         |ミ|
         |ミ|
         |ミ|
         |ミ|
         (0)

49 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 21:03:13 ID:fOc0RAYE

        ____
       /⌒  ⌒\
     /( ●)  (●)\
    /::::::⌒(__人__)⌒::::: \/⌒)
    |     |r┬-|     | ノ         _ , -‐- 、 _
  __\      `ー'´     //        ./ : : : : : : : : : : \ 
(⌒               |_,,,ノ       ./: : ,;-‐: : : : :.\: : : :\
 ""''''''ヽ_         |         ./: : :./: : :./: :.|.: : : :.\.: : : ヽ
      |           |         /: : :.:/ : : /: : /\.: : : :.\',: : .',
      |         |        !: :/ / : : /: :イi   ゞ=へ、: :',: :',
      i      ̄\ ./        .|: :|: :|: : /.| ハ.! _,,-‐‐- | ハ ', i
      \_     |/         {: :{: :{ -十ト/ ノ  -,___...、,,ト| !| ' }
       _ノ \___)         .|: :|: :|: : |≠;,`   |r';;;;;}| !.|リ!: :|
      (    _/            |: :|: :|: :||r';;」     " ̄ ゙ !::| .,'
       |_ノ''              } |: :ハ: {l´¨  、     /リ:|:,'
                        .|八.|、ゞヽ、   -  ' イ/|:y
                    .       Vへ:: ', ミ ≧‐-< .|ゞ//
                         __ /  .|     | ',//\
                       ////////   ',     .|  `///\
                       |///////    ',     ./   __ `////\
                       |//////   ,,;;/;, ',   /  //`,,,, ゞ///|



                     父と母

50 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 21:03:41 ID:fOc0RAYE

                         __
                  /::::::::::::::::::::::::::::::......、                       、___ , -―…―- 、
                  ..'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|ct、                       >一,ヘ     、  `ー 、
                   /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/c/::ヽ                      '   /   、 ヽ  .  、  \
                '::::::::::::::::::::::::::::::::::i:::::::::::ムイ::::::::::,                      / /  ,イ | | 、\ヾ  、  ヽ、
               i:::::::l:::::::::::::::::::::/::::|::::::::::i:::/イ::::::|::.                  /,イ | ハ小 ト、 ヽ. \\ .   .   ’
               l:::::::l:::i::::::::::::::/:::::::|::::::::::|/l斗ト;::|/              __   . -‐…‐ァ/7  l ir‐i八.| ト卞寸、|`ヽ :.ァ   \ i
                  :::::::l::::;::::::::::/::::::::::|::::::::::レ i__ 灯              「ム>' /   i | i | |小   ヽ x云トハヽ   ヒア ヽ ヾ、
                  i::::::|::::ヽ、/:::::::::::λ::::::::t,.x=γ'        ャ===ェュイ/ / | ヽ ヽ l ト、j,利   ` 以リ 灯|   爪   | 、 トヽ、
                  ∧:::::;::::::::::;::::::::::::/::i|::::::::ト='ヽ       寸マイ/   |  |   .  | . ト屮、   弋ソ  jハ . |ソ小i ハjヽ
              /::::::;__:;:::::::::ヽ::::::/:::::ハ:::::::|"、 /         /久∨ /  || ハ|   j 、.八"" r―‐ 、 """ _小 |〔リハル
               {:::::/::::人:::::::::::::/::::::::l__;:::::t-'_ _      r-‐ュ_ィ/イ | || l i ト、 l├ ト、{> ぇ、 ノ  ィfユィハj ̄ミ、
             入::::::/:::∧ヽ:::/::::::::j::ハ' ̄ヾ} 「r〉       `フ¨, /' l.小. V⌒l ヽ ヽ|ソヽハオミ. ∧ト丁ト<ィ´     ー‐ぅ
                /:::::::;:::;:イ  、::::/::::::/:/::::. ' `V{       ノ, イ/|l , ||{  ト,x_|ュ    '"¨ソ/ jュlリ ハjУ ><¨ ̄`くト
            ,::::r::ー::::::|   X::::::::::/::::::::|  `ヾ、         /j 乂人ト、ミt V"`   、 ""イ/} ムイ//¨ヾv`ヽ    \ 、ヽ
            |::::ヽ/::::::j   |:::\::::::::::::::ハ    `}       ムク' 'ヘVXヘ`""  r‐ 7 ' ィ /ムァタ   ノ’      ,イ 
                λ::/:::::::/   ヽ;:::::`::::::/::∧   r’               {乂 // ≧=う‐≦ァ/イ r< 、ノ ̄¨ー    ムィ 
              /:::i::::::/ハ      ト、:::::::::::/:::::.  {            ´`|/  r歩ラュへヽマノ" ァク´   ` , 辷ネ¨   ヽ
             ,:::::::r'::::::::j_ ,     |:::::::ヽく::::::::::i   .                 ムへ、{i j リ/rヲ'  /   /    /   ̄    
            γ{:|:::::::/:::λ式    、::::::::::::`::::::|   ゝ            \ ヾヘ  ' {  入    . ィ、 _ __      



                                  そして、三人の姉

51 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 21:04:04 ID:fOc0RAYE

                       / /    _,,、、、__
                      / /    /     \
                    / /    /        ヽ
                   / /     /ノ   \     |   家族皆が、身を削り
                 / /         |(●) (●)    |
               / /         | (__人__)      .|
          |ニミヽ久_/           .| ` ⌒´      |         ビタ
          < Y/ヽ)  ̄ミト、          ヽ         .l   なけなしの鐚銭を寄せ集め
        ィ< \しイ\|ト< i |      ┌// ヽ       _\
      ┌入 ム//   l    ̄     __/∧   |    式斤   ̄\
     / ̄ ̄\ |    |        / / ∧  |   /,≧彳斗\  \
    Eェ_  / ̄ ヽ|   ハ       /| |   ∧彡斗〆 \ο/    ヽ  やらない夫が出立する前の晩に
   / __  l   \彡 ∧      / ∨|  、>、       `´       l
   >イ ./\l  / ̄/ ̄ ̄ ̄ ̄ ``トェ<``斤\ \             |
 /ミ/    \__|  |        /   \   ヽ  l   /        |
 ヾ/       ` <_      |      |   |  |  /         /  無事を祈って送り与えた、剣であった
             ∨  ̄``ヾ<|     /    |  |/     _>< /
             ∨   / |  `ト弋斤ー─乞 /__><″   /))

52 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 21:04:23 ID:fOc0RAYE

           / ̄ ̄\
         /      \  魔王を討伐した暁には、褒美が約束されている
         |          .|
         |         |
.           |           |  再び家族揃って、今度は豊かに楽しく暮らしていくのだ
         ヽ        /
          ゝ     /
          i´       `1  その為ならば、如何な手段を使っても生き延びるのだ
          | 1     | |
.            | |      .| .|
.         ヽ、!.      l/   やらない夫はそう思いながら、強く剣の柄を握った
           Y⌒L、 {
 wwv ,,....,,  ,,vv... l__/ _|_} wv ...,,.

53 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 21:05:10 ID:fOc0RAYE

 ェ .,-=・=-.,,,、-=・=-.-=・=-! │-=・=--=・=--=・=-l三三三三三三三三三三三三三三l  .,!三|-=・=-'i-=・=-
./ .!.l!  ./三ヽ-=・=-! .l゙ .! ,!  ./゙.l-=・=-./.l .!三三三三三三三三三三三三三三 ! .!三;;;1-=・=-.ヽ.-=・=-.!l,-=・=-/
三 ||.! /三三!   . !  .! l | ! ./三|    iゞ l.l三三三三三三三三三三三三三三 ! .!三三|  i,  /;;!  .l゙;;!   / /
三三! .|三l.i三.!  l三l !三!│ /三 .!-=・=-.l゙三三i,l三-=・=-三三三三三三三三三三三 l !三三| ,! !  |三|  |三i  i ./三
..i三 .! .! l;;;l.!三 | .l三j│三.!│ !三三|  !:;三三三三三三三三三三三三三三三三三 U三三| l゙三l .l三;;! .│三| .! i三
. l三 | ! l;;;!|三;l  l三;l゙.|三;;;! |! |三三;| │三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三!│三;| l三;;;l | i三
 .l三! .l.〉;l.!三| .!三;! |三;;| ! !三三.!  .,!三三三三三三三三三-=・=-三三三三三三三三三三三! |三三! !三;! | .〉三
  ゙‐'゛  ヽ三三| !三! .|三;| .! l三三.!  .,!三三三三三三三三三三三三三三三三-=・=-三三三l !一ー l. |三! │ |三
`''-.   \三 |│三l.|三;!  ! i三三.!  .,!三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三;;/"   !  i  l  | ̄ヽ
    ,、   ゙l  ! !  | l  / i三三|  .!三三三三三三三三三三三; il 三三三三三三三三;;/   .  /   ゙ .!  ヽ
 、   `゙''- .l .,!  l .l !   .、 `'',    .!三 !|三三三三三三三三三|.!三三三 .ノ 、 、三三l  /  ...゙    i
、 `-=・=-  、 !  !  .′  ".゛  ′   ヽ /.|三三三三三三三三三! !三三三● ●) l三三!     !   ,i',i  ノ  ヾ
     ...i !.! .!   !    ― 、、三―   .゙‐' !三三三-=・=-三三三 ノ !三三三(人__) |三;/    /      .,i
 |  !  |i|i! ! _′  .l. ..ー   ‘ ―‐      !二二二二二二二二二二二二 ヽ    ノ二″     l .'"      /
 " ||ii|"  ./-=・=-″-=・=--=・=- .!}-=・=-     二二二二二二二二二二二二 /   .ヽ二二 l          ./
 l||||″  /-=・=--=・=-r'" \-=・=-.!│-=・=-     二二二二二二二二二二 (|   | | 二二" .,/-=・=-.r'"
||||-=・=-"-=・=--=・=--=・=-‘    .} .l -=・=-         二二二二二二二二二 ゝl  し'_,,, ._..-'" -=・=-゙.r-=・=-
.,-=・=--=・=--=・=--=・=--=・=--=・=-,! ..l-=・=-  '、                   `(_ノ゛ . ″ ../ -=・=-._,-=・=-
-=・=--=・=--=・=--=・=--=・=--=・=--=・=-` -=・=-.゙'ー ,,-=・=--=・=--=・=--=・=--=・=--=・=--=・=--=・=-゛-=・=-
-=・=-.,.-=・=--=・=--=・=--=・=--=・=--=・=- -=・=--=・=-`'‐-=・=--=・=--=・=--=・=--=・=-, ーゞ  ,..-¬ー--._
-=・=-|-=・=--=・=--=・=-´ `'‐-=・=-`'ー 、`'ー 、-=・=--=・=--=・=--=・=--=・=-、-=・=-. _,  .-=・=--=・=--=・=-
-=・=-..,,-=・=--=・=--=・=--=・=--=・=--=・=- ` -=・=--=・=-_,, ー-、-=・=- ゙̄"-=・=-.´-=・=-/゛゙'‐-=・=--=・=-..,, ''ー .
-=・=-.ゝ-=・=-¬'''、.-=・=-.-=・=--=・=--=・=- -=・=-__,_-=・=--=・=-` -=・=-.‐―ー-=・=--=・=--=・=--=・=-_,,,...


                                吐息逆巻く洞窟を抜け

54 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 21:05:37 ID:fOc0RAYE

, ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; ,
, ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ;
, ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ;
::::/:::7…r=/, ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; .ノ 、 、 ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ;
:::{::::::!::::::|: 廴.__., ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ;● ●) l, ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ;
ニ}ニ{ニ{〈:::::::{:::::::::::::::::::....., ; , ; , ; , ; , ; , ; , ;(人__) | ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; ,
¨ <ニ}ニ}::::::i::::::::::::}::::::{::::.、_, ; , ; , ; , ; , ; , ヽ    ノ, ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ;
, ; , ; , ̄¨㍉ニ=─-{:{!::::::{:::::::≧トー, ; {::::), ; r    へ、, ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; ,
, ; , ; , ; , ; , ;ー-ミニニニ}:::::{::::::「:ヽ j:i::}, G|  _/^○ ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; ,
, ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; ヽニニニニ}/::::::::}:へ:{::::/  /、__ノ, ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; ,
, ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ;`<ニ/⌒´ ̄ Y ヽi!::(___/::::}:::::::::ヽー…‐-ミ, ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; ,
, ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ¨ヽ, ; , ; , ;′ \}::::::」:{::::::::::/::::ヾ::::::::::/ヽ, ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; ,
, ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ;∨, ; , ; , ; , ; , ¨´, ; ,⌒ヽ>'⌒ ー=ミ:::「:::::ヽ,、,、, ; , ; , ; , ; ,
, ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; ,⌒ヽ, ; , ; , ; ,/, ; , ; , ; ,′, ; , ; , ; , ヽ :::::/:::{:::\, ; , ; , ; ,
, ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ー 、, ;′, ; , ; ,⌒, ; , ; , ; , ; , ; ,Y::::::::::ヾ::::「¨ …‐-
, ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ー……‐-ミ, ; , ;,へ {ニ=‐ /ニニ=‐-:::ー-::::\:::
, ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ー⌒ヽニニニニニニニ=‐-:::::::::}::
, ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , `<ニニニニニニ=‐-{::::
, ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ̄¨ヽニニニニニ=
, ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; `<ニニニニ
, ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ; , ` ー…‐-


                 脈打つ肉の断崖を越えた

55 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 21:05:58 ID:fOc0RAYE

: : : : : : : : : : : : : : ' ., . . . . . `ヽ、  _ ___
: : : : : : : : : : : : : : : : ' , . . . . . .: : :: : : : : : :: : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : :' , : _,.: : :, ' .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:' .
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : ':,: : : :.i  .:.:.:.:.:.:.:   i
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.: : :..|:.          |
: : : : : : : :__: : : : : : : : : : : : : : |:._ ノ ヽ __ |
: ,. <´ ,. イ: : : : : : : : : : :彳ヘ!| ( {:::} ) ( {:::} )/i'´`ヽ
    ≫: : : : : : : : : : : _: :i' <ヘ(___人____)イ´ヽ . . \
    ∧. . . . . . . . , イ: : : :ヽ、: : :t i、 - -、 /.イ: j. . . . . .`ヽ、
..イ´ ̄``. . . .,---- 、. . . . . . .i. . ./ハ>、 イ!テ´: :.i-.イ ̄ ̄`ヽヽ
≫---< /    ハヽ. iヽ∧. . ヽ iヾ:} {::|ハ. . ../. .__. . .,ィ. . .ノハ
 . <´ r、'、 _  .<ニr-<ヤi j. . ハ.l.i:) i/i 7. . ./>'´. r-'´   }
:.r、:.:.:.:.∧ニニv':r-j: :i: /: :/ハイ フ================================y
:.{ミヽ廴三三三i|: :i: :i:ィ',: i---' /ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニイ
:.:`ヽ:::::``ヽ、<:::ハ、ヽ_ヽ_人j=-'<.ir:Y r-7/  > ' ノ´ ̄7'´
:.:.:.:.:.:.``ヽ、:::::::::::::::i:::> 、:< ':,ヽ、=、_,.{_/イ´_,. -‐' .イ:::/
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、ノ::::::::::::::::::::\--、_ハ / ´   ) .イ::::::::/
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、:::::::::::::::::::::}  ヽ`ヽ   /: : : : :./
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ、:::::.イ     '   /: : : :'´,':./
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.> ' ´   ¨´ヽ、       //: : '  .:': /
:.:.:.:.:.:.:.: イ            i  >、x<: 〈'   ,:':./

           長い間、当てなく彷徨った

           唯独り、荒廃した世界を歩いた

           異形を殺し、食らいながら

56 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 21:06:29 ID:fOc0RAYE

     _
    /  `
    !  __i __
 rヘー之ミ´、  ,`≧z、            そうして生き延び、彷徨い続けたある日
 }/,i/7,>=ニ三ニイヘ<//>x
 \/////>У///∠≦、///>       突然に
   }/////{/////////77/>、
  ////////へ//////////三 ヘ     何かに急かされるような気がして
  //////////∧\//>゙´ `ー-<i
 ′///', 1 /≧=={            北へ北へと、やらない夫は進み始めた
 iγ三/ ヽИ≠/, :、/∧
 ヾ三/   V/≧=ミj//.;!
  \i    V////{ゞ≦
         V///∧//
         ト、///∧′
         Y,V// ∧
          j ∧///∧

57 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 21:06:52 ID:fOc0RAYE

                        :   ヽ. ;";;;;;;;;;;;.; .;:;:              ;;;;;;;;.;;;;;;;;;-、;;;
                      -、.  ヽ;;..ヽ;;;;;;;;;;;;;                 ;;;;;;;;;;;;;;;;;''-、
                       `'-,. l.;;;;;;;;;;;;;;;;;                : ;;;;;;;;;;;;;;;;.、;. `
                     .... ....,,,、゙.l;;;;;;;;;;;;;.;;;;;                ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙.l
                           `-.l;;;;;;;; ;:                ;;;;;;;;;;;;;;;;;;; l;;"
             ....,,,.._      、 .ヽ;;;;;;;;;;;;;;;.;:                :;;;;;;;;;;;..;;;;;;;;;.l
                   `゙'''ー、、 . ゙!、;;;;;;;;;;;;;;                    ;;;;.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,...   _,,,.. -――¬―-
               ........ ........,,,,,,_. ..ッへ、;;;;;;;..;;;;;;;                 : ;;;;;;;;;;;;;;;;;.ン',゙ニ゙‐'゙´;;;;;._./
                      `゙¬v_゙'';;;;;;;;;;;;                 ;;;;;;;;;;;;;;;./ ゙;;;;;;;;;;_ン'″
                   _,,,,......,,,,ヽ..;;;;;;;;;;;;;                        ;;;;;;;;;;;";;;;;;;;;;;;;;'";;;'''゙゙゙ ゙̄ ̄´
            ,..-'"´     ...;`'''-、_;_.;;.,, ‐''''.-..,、            ;;   ;;;   ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,,,,_
               ゛       : 丶'',゙ ‐',゙..-''"  '-、  .`゙"'''''――‐ー-..、               ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`゙゙''-、、
                  _,,..-'''''"´      `'‐            ̄ ̄´゙゙''ー ..、   .;;;;;;;;;;;;;;;..,,,.     `'‐
              _,, ー'''''"´               '、'、                  `'-、, .;;;;;;;;;;;゙'lt-.`''‐
       ._,,.. -'''″         /  .、 ,      ゙>.゛   ......;;;....;;;;;;;;;..l,      .-、  .`''''ー-.._゙
  ._.. -‐'"              l│;;;;;.! .ゝ              ;.;;;;;;\      .\     .\. `'-,,,
'''"゛          `゙゙゙゙゙゙.l、   .″ヽ,;; l.      ..    '、     ...;.;;;;\      .゛      `'-、 .`゙"'ー-
     ,,            ;;;i′       .;;ゝ     ./    '、  ヽ         ;.; \             `''-、゙ヘ.
    /   ,i′、    .;;./                / .....;;  .′ ヽ          ;.;ヽ,
;. ./   : ′     ;./                   ゙ .;;;;;;;;;:        ,..,        ゙′     .、、
                                   ;:;;;;;;;    .、   ;;.l             ;;;゙''-、    、.
   ....,l゙                  !             ;.;;;:    \  ;: l       '-.     ..、;;;;;゙'-、,   ゙ヘ
 ...;;../   :     /       .../       /          ..  ./  .; l,           ヽ¬ .  \;;;;;.;.;;゙''‐
..;;;;../    .l   ./       .│     : ,ノ゙;;;;;          /   ゛  |.;;;;;.! `                 \;;;;;;;;;;;.;..


                       足を進める内に、次第に大地が熱を帯び

                         やがて、山々が火を吹いて歌い上げ

                           溶けた岩が流れて川を成す

                            焼け爛れた岩石の土地に

                            やらない夫はたどり着いた

58 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 21:07:20 ID:fOc0RAYE

             __ __
            │ハiコハ 、
            ノ';:;:;:;:;:;:;: ゙\
           ./;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_ノ┐
      ____,,/゙ii│;:;:;:;:;:;:;:''''´上,,
'' ̄ ̄ ゙゙̄^^二..r夕l!廴;:;:;:;:;:;:;:;:;:-リll辷 _..- 、
   _.,,..-‐'^┘_ノ..三千ゥ-;:;:;:;:;:;:;:,,,゙ェ゙゙个"゙ ̄モヘ
-宀''"   _,ィ/"/'水「丿│ヽ 彳ヘll゙!火;:;:;:;:''-弋
    _ノ'彡´ノ㍉!./rf!'' ̄ヽ ∥ ┘ ^  \ 彳
 ..-‐^´,ノ´,ノ゙_/il^/彳゙!ニ;:;:;:;: ノ!’ ,,;:;:;:;:^斗|廴メ!
゛   ノ"/ _ノ个 ,lソ" │;:;:;:;:1l! ¦ ,,,, レナ宀、
  ノン''" /./! //  丿;:;:;:;:.|亅 _ノ| llリ ll!!l个'│
/"      ./ ,丿   !;:;:;:│!∥ 之ェ土|廴!ヘノ’
    '´  ノ ./l!   │¦│ィ|l!│|fll|ll}|l!"_|lリl
      //-丿    !;:;:ヽl!  コ!l!| 川下゙゙1
     〈` ノ    │;:;:;:;:;:;: ''ソldノ{|!ll!!│
     '广 ,'     |;:;:;:;:;:;:;:ー !│小i彡 │
   ,,l丿  /     ,';:;:;:;:/  ^` 丿!l个 !  
   │  ,'     ./ ;:;:;:;:;: :ン-斗!l|ル ‐
  ''/'  丿    丿;:;:;:゙;:;:;:;:n 1''1゙仆聿 │
  ノ   l    /;:;:;:;:;:;:;:;:;:│  / !!!jllン、
  ノ   /   .丿;:;:;:;:;:;:;:│l「  ヽ  !勺 │
         丿;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:1 /_;:;:;:;:〈ニ1 |
          /;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: ,,丨 `  -│ヽ│
      ノ ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:¦`;:;:;:;:;:;:;:ニ,,. rニ''ヘ,, .... ......,,,,________
     /;:;:;:;:;:;:;:;:;:- ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: -__ヽェ二コミ"゛ー ニ‐-ゥ-ォ"

        そして、舞う火山灰の向こうに

             歪な塔を見た

          やらない夫は直感した

            それが、魔王城であると

                           ――続く

 
-59 ◆demUaSMNYo 2012/04/30(月) 21:08:12 ID:fOc0RAYE

    △△△△△△△
  ¶¶¶¶¶¶¶¶¶¶¶¶¶¶¶¶¶¶¶¶
¶¶¶¶¶¶¶""""""¶¶¶¶¶¶¶¶""    こんな感じで超頑張っていくので
000◯◯0 _,,,,, ▼,,,≡0◯
¶¶¶¶ ¶ ¶ 〃 _\ /≡≡|¶ ¶
¶¶¶¶ ¶ ¶   〈 (・)》 ((・)〉|¶ ¶
¶¶¶¶ ¶ ¶  "" ̄≡|≡≡|¶ ¶   超応援を超よろしくお願いいたします
¶¶¶¶ ¶ ¶≡ / ... |||≡≡|¶ ¶
¶¶¶¶ ¶ ¶ 《    .ヽ 〉 ≡|¶ ¶
¶¶¶¶ ¶ ¶  ゛ γ⌒~≡¶ ¶|
¶¶¶¶ ¶ ¶    ..L_」≡/¶ ¶    超おパンティー
 ¶¶¶ ¶ |   .┗━┛ ¶ ¶
 ¶¶¶ ¶ \   ┃≡/ ¶ ¶
 ¶¶ ¶   ̄ ̄ ̄ ̄


60 名前なんて無いだろ 2012/04/30(月) 21:09:58 ID:Ypt/tGgk
今まで見たことのない感じのやる夫スレでございますな・・・。

とにかく乙でした!


64 名前なんて無いだろ 2012/04/30(月) 21:18:39 ID:VTU8HC1A
乙でした
次も楽しみにしてる


65 名前なんて無いだろ 2012/04/30(月) 21:19:18 ID:Ows/6MDY
乙!
こういうダークな雰囲気大好きだぜ!


72 名前なんて無いだろ 2012/04/30(月) 22:15:07 ID:jNcX8fVc
乙!

…何と言う重厚な…。 
しかしまぁ、着の身着のままで魔王退治に放り出すとか、王も王宮関係者もトンデモない屑揃いだな…。
蔑まれてる身分の出だと大功を成したとしても、
下賎な者が貴い者に奉仕するのは当然!とか言い出しそうな気配がして後編が恐いな。


75 名前なんて無いだろ 2012/05/01(火) 00:15:25 ID:JIowsurk
彼らはそれを勇者と名づけ
彼はそれで勇者と呼ばれるのか
うーむ……イントレランス


76 名前なんて無いだろ 2012/05/01(火) 00:57:53 ID:PjPRkI9.
前置き限定の雰囲気なのかこのままダークにいくのか楽しみですな

とりあえず人間ではいられそうにないね


80 名前なんて無いだろ 2012/05/01(火) 02:51:43 ID:3EFj9LAw
なんという予告詐欺




構わんもっとやれ


83 名前なんて無いだろ 2012/05/01(火) 11:41:01 ID:mAxN95m6
いい意味で裏切られた。期待

84 ◆demUaSMNYo 2012/05/01(火) 21:25:39 ID:PC9FMKxU

       _,. --‐_-、、
     ,.ィ:::}'´ ̄ ___)::>,、
   _/::::二>'´ ̄___):::::{ 入
 . /じ、::::::::`¨:´:::::::::::::::::Y_,ハ
  l:}:ト-i‐-<::::::::::::::>'"`l::{::ト、
  l{::}::}::! ノ  `゙''i;!´   〕:{:i::l
  ll::{::{:::ト、._   l!  ,,.イ}:::}:i:l
.   !i::}::}:::i.,ィ心、  ,.ィfチン !::{::!:!
.  ll::{:::!:::i ` ¨  `,、  ̄  }::}:j、:   乙コメどうもありがとうございます
   !!::}::}::::}    、 } _   i::j::{ ゙
..  ll:::i::{::::i   F=-i:l  i:::}:j!
.   li:::}::}:::ト、  l!、 ,ト! /:::j::ij
   N:{:::i:::lヽヽ.ヽ辷ノイi::::f::;リ、
 /ヽヾ-l:::} ` `ニ´┬l:::jハ  〉
    ヽ l::::!      l::::jノ\/



             ____
      , ‐:'':": ̄:::::::::::::::::::`丶、
     /::::::::::::r‐ (二)=== =、_:ヽ
    /:::__:r‐ こ.>'''l{::::l/__ u |「゙l
   こ>‐'l{:¨l{:::l{:::l{::::l` __,_,_ヽ\ リ ',
   l{::l{:::l{:::l{:::l{:::l{::::|`<(・)¨ヾ`=ノ,r=}
   l{::l{:::l{:::l{:::l{:::l{::::|、 `゙`¨,r" f・)~
   l{::l{:::l{:::l{:::l{:::l{::::|f゙  u   \!
   l{::l{:::l{:::l{:::l{:::l{::::| |j  u  ‐/l
   l{::l{:::l{:::l{:::l{:::l{::::|   ,. ==ぅ.l  思っていたよか物凄く沢山コメントが付いててビビっております
   l{::l{:::l{:::l{:::l{:::l{::::| u ( 二 ニリ
   l{_l{:::l{:::l{:::l{:::l{::::|    ー―"l|
   / /`ヽl:::l{:::l{:::l{::::|、_  u    l:!
___./_/ / /``゙l{:::l{::::|三=‐r‐rf::|
― - `_丶〈 ./l{:::l{::::|/  |}::l}:::|
__ __ __ __\ ` rl{:::l{::::|    |}::l}:::|
- ―― -`、ヽ.「l{:::l{::::l     |}::l}:::|



                ____,,,,,____
             _,.-‐',ニ=-‐-、 `ヽ、
            / (ノ/ ,.==、 ヽ、  `ヽ,
          _,.='"  /  ,_,._ ゙'  }!ir‐- 、ヽ,
       _,.-''" /,,/,,)/ ,,==≡ト  ji} ,.=、ヽ,}i_   もう
   _,.-‐''"   /,,/,,//,,     ゙´_,,    ヾ {( )  あげちゃうわッ……
. _,-" _,.-j   /,,/,,//   、_  / `〉 ,,=≡ } `}   あたしのパンティ~!
ヾ_,.-' _,.-'  /  //   / `゛ー、'"    " / /} 〉
 _,.-''"_,.j  l   ヾ  /      `ゝ   ゙/ /〉/
{___,.-'/ _/ | i   }  {i       /   / /ノ丿
  ///  ハ j  }  ゞ、   /   / 〃 ソ
  {__/  {__/ 〉  丿  〃="   / 〈ソ /   あ、次の投下は早ければ金曜日にやりたいです
       (\___/ \〃    / /〃/'"{__
       /\____丿__`ー-‐‐'" /〈ソ/ / ゝ-''"">、
   _,.-'"/   /ヽ  `ー--- / ヾ// / /  ̄  ̄\


85 名前なんて無いだろ 2012/05/01(火) 23:19:58 ID:Gwu2CA6I
すげー楽しみだ期待

87 名前なんて無いだろ 2012/05/02(水) 18:07:26 ID:4EuzY2F.
>>85
>>1のパンツが欲しいとか、ここにも勇者がいたか


88 名前なんて無いだろ 2012/05/02(水) 20:57:22 ID:NJ.tmf5U
>>85
おまえの命がけの性欲ッ!ぼくは敬意を表するッ!


86 名前なんて無いだろ 2012/05/02(水) 10:01:58 ID:GdPjWxFQ
いらぬわw

93 名前なんて無いだろ 2012/05/03(木) 14:38:22 ID:vPP3kUfM
乙!
ギャグかと思ったらガチシリアスで引き込まれた。次回も期待しています。
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4163 『勇者やらない夫の伝説 【前編】』の前後エントリー2012年05月04日 07:45

纏め作品一覧勇者やらない夫の伝説の目次


13608 名前なんて無いだろ 2012年05月04日 08:39Edit
なんて予告詐欺だ。
13612 名前なんて無いだろ 2012年05月04日 11:35Edit
釣り臭いと言うかなんというか・・・
多分作者はかなり数こなした人だと思う
13615 名前なんて無いだろ 2012年05月04日 13:24Edit
過去にもいろいろスレ作ってそうな雰囲気だよな
13616   2012年05月04日 16:54Edit
なんとなくオチは見えるが・・・そんな予想しやすいオチを引っくり返しそうな雰囲気がするw
13618 名前なんて無いだろ 2012年05月04日 19:03Edit
スレを開いた瞬間、最後まで吸い込まれるように読み耽ってしまった。
次回も楽しみだ
13619   2012年05月04日 19:04Edit
こういう語り口調のは新鮮で面白い
13620 名前なんて無いだろ 2012年05月04日 19:07Edit
久々になんと味わい深い・・・・・・
むしろ何故あの予告なんだw
13623 名前なんて無いだろ 2012年05月04日 23:30Edit
文章うまいな
惹きこまれた
13627 名前なんて無いだろ 2012年05月05日 02:09Edit
タイトルだけ見て一瞬やらない夫vsクソゲーの人かと思って開いたら全然違ったでござる
19097 オシラ774 2012年11月18日 09:25Edit
なんか、シュナの旅を思い出した
19185 名前なんて無いだろ 2012年11月20日 22:46Edit
ああ、シュナの旅好き。よく解る。いつかシュナの旅をやる夫化しようかな。いつか。いつか

やらない夫の・・だから超筋肉勇者のパワフルギャグ物だと思ったわ
19391 名前なんて無いだろ 2012年11月27日 21:12Edit
だらだら語りが長くてこれはないわ

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